2011 Fiscal Year Research-status Report
社会ネットワーク分析を用いた地域づくり活動の拡大過程とその影響の測定・評価
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23760568
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
鈴木 直文 一橋大学, 社会(科)学研究科, 講師 (80456144)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 社会ネットワーク / 社会関係資本 / 限界集落 / 住民組織 / 地域づくり |
Research Abstract |
高知県吾川郡仁淀川町長者地区において、住民が生活に必要なリソースにどのような住民間ネットワークを通じてアクセスしているかを把握するための調査を行った。平成22年度までに行っていた調査を基礎に、平成23年度は生活に必要なリソースの特定と調査協力依頼を目的とした予備調査(平成23年9月13日~18日)と、社会ネットワーク分析手法を応用した質問紙調査を中心とした本調査(平成23年11月13日~28日)を行った。予備調査では長者地区内の14集落の各区長などへの聞き取り調査を行い、18項目のリソースリストを作成した。本調査では、長者地区に住む16歳以上の全ての男女を対象として、直接面接法による質問紙調査を実施した(但し、長者地区にある鉱業会社の社宅住民に対してはポスティングによる配布方式)。調査対象544人に対して430人(回答率79.0%)から回答を得た。質問紙調査では、社会ネットワーク調査の既存の手法であるリソースジェネレーターとネームジェネレーターを組み合わせた独自の手法を用いた。世帯情報(構成員、GPSデータ)と個人の属性(性別、年齢、出身地、域内居住年数、所属団体)18項目のリソースをパイロット調査の結果16項目に絞り、それぞれの項目の必要度と、それを提供してくれる人の有無、属性(居住地域、関係性)、個人名(任意)を訊いた。個人名はコード化して匿名化した。個人属性毎のリソースの必要度とアクセス数、因子分析によって分類したリソース類型と所属団体の関係、団体への所属の有無とネットワーク内におけるIndigreeとBetweennessの関係などについて分析を行った。これまでの主な分析結果として、地域づくりに関わる団体への所属がリソースのアクセス獲得やネットワーク内での中心性に正の影響を及ぼしている可能性が示唆された。今後は分析を継続し、地域づくり団体の拡大要因を推定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、地域住民に対する悉皆調査により住民間のネットワーク構造とリソースへのアクセスについて明らかにすることが目的であった。当初の計画通り悉皆調査を行ったが、人員の不足により分析が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、住民団体に対して調査のフィードバックと提案を行い、提案の実行支援と効果測定を行う計画であった。効果測定については、住民に対する調査の負荷が過大であると判断し、質的な調査にとどめることとするが、その他については予定通り行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度に完了する予定であったデータ分析が人員不足により完了していないため、そのための人件費を平成24年度に持ち越すこととした。平成24年度の研究費は、現地調査旅費、データ分析用ソフトウェアおよびハードウェア、データ分析のための人件費、調査報告書の印刷代、資料購入等に使用する。
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Research Products
(2 results)