2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23760683
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
笘居 高明 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (80583351)
|
Keywords | 超臨界流体 / プラズマ / 材料合成 |
Research Abstract |
本研究では、平衡論から逸脱した物質合成や高速合成が行える、非常に魅力的な反応場である超臨界流体プラズマの、量産型材料合成プロセスへの展開を目指し、超臨界流体プラズマ電解法を開発することを目的としている。本手法により形成されるプラズマは、電流をプラズマ発生用電極近傍に集中させ、電気分解及び、抵抗加熱により、低密度・強電界領域を形成し、その中でプラズマを形成する。そのため、一般的な気相プラズマと本質的に異なり、ジュール熱と電気分解反応によって電極近傍の低密度領域を制御することで、電極間距離に依存せず、電界を制御出来る。 本課題にて設計・導入した、窓・電極付き超臨界流体反応容器を利用し、超臨界二酸化炭素への導電性を付与に効果的であることが報告されているフッ化物塩(NaCF3CO2)を採用し、助溶媒(メタノール)と共に超臨界二酸化炭素(10MPa,45℃)に混合させることで、単一相の導電性超臨界流体を得た。電極としては、対極にPt板を、プラズマ発生用電極に、クォーツチューブ内に挿入したW線を、それぞれ用いた非対称型電極を採用し、これに500~1000VのDC電圧を印可することで、超臨界流体中において電解プラズマ発生に成功した。 またさらに、超臨界二酸化炭素-水共存雰囲気化において、水中に溶存した二酸化炭素を電解質とカーボン源として利用し、2000V-DC電圧印加時において電解プラズマの安定的発生と、カーボン物質の生成を確認した。この結果は二酸化炭素の無機有用物質としての固定化研究の端緒を開くものである。 以上、本成果は、超臨界流体プラズマのマスプロダクションを可能とし、魅力的な反応場である超臨界流体プラズマ材料合成プロセスの産業的発展に大きく貢献するものであるとともに、これまで議論の僅少であった超臨界流体中における電気化学という学術領域の進展が期待される。
|