2012 Fiscal Year Annual Research Report
自律型海中ロボットによる熱水地帯の精密画像観測システムの開発
Project/Area Number |
23760778
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
中谷 武志 独立行政法人海洋研究開発機構, 海洋工学センター, 技術研究副主任 (00581753)
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Keywords | 海中ロボット / 画像観測 / ナビゲーション / 自律型 / 海底熱水地帯 |
Research Abstract |
本研究は、自律型海中ロボット(Autonomous Underwater Vehicle, AUV)の更なる知能化によって、海底熱水地帯の広範囲かつ精密な画像観測の実現を目指したものである。各種の学術的調査や海底資源開発の議論に用いるための定量的なデータを取得することを目的とし、熱水チムニーが点在する海域での全自動観測活動を行うための「AUV のナビゲーション手法」、「海底面の3次元画像モデルの取得方法」、「取得データの自動処理手法」までを含めたトータルなシステム開発を行った。最終年度である本年度は、昨年度までの研究成果をもとに、3次元スキャニング装置の高性能化と、自動処理手法の高度化を中心に研究を進めた。 本システムのツールとして開発した3次元スキャニング装置は、シートレーザー・カメラ・回転台から構成される観測機器であり、チムニーの3次元形状を色付きでスキャンすることが出来る。本年度は実海域環境に対応するため、構成品を見直して高距離化および高精度化を行った。 次に、「取得データの自動処理手法」として、3次元画像モデルからチムニーの高さ、底部の直径、体積などの特徴量を算出するソフトウェアを開発した。また、生物などの対象物のカウントや領域抽出などを自動で行うアルゴリズムを開発した。そして、前年度までに得られたデータに適用し、バクテリアマットやカニなどの底生生物の自動抽出に成功した。本手法は、ビデオ映像から目視によって数え上げる従来手法と比べ、正確性および効率性において大いに優れている。 システムの検証実験として、KY12-13研究航海においてAUV“Tuna-Sand”(東京大学,2007年開発)をスミスカルデラへ潜航させた。活動中の熱水地帯の発見には至らなかったものの、水深900m域において複雑な海底地形を精密に観測することに成功し、本システムの総合的な有用性が示された。
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Research Products
(2 results)