2013 Fiscal Year Research-status Report
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23760781
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
増田 光弘 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 助教 (00586191)
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Keywords | 高把駐力新型錨 / 海難事故防止 |
Research Abstract |
平成25年度の研究業績の詳細は以下のようになっている。 本年度は、水平曵引試験、仰角曵引試験、スイッチバック試験、スイッチバック貫入試験、倒立試験の5種類の水槽曵引試験と、把駐係数、最大把駐力到達距離、姿勢安定距離、爪の貫入の有無、再現性の5つの評価項目による錨性能評価チャートを用いて、ストックレスアンカーより安定性に優れるストックアンカーを評価対象に加え、新型錨に必要な要素について検討を行った。その結果、①錨爪の面積は大きい方がよいが、それ以上に傾斜した爪の形状を取り入れ、貫入面から受ける抵抗力を大きくすることが効果的である、②かき込み性能を向上させるためには爪の先端を鋭くすることが効果的である、③ストックレスアンカーの錨の姿勢安定性を向上させるためにはスタビライザーを用いることが効果的である、④スタビライザーを設けることにより爪の根元が厚くなり堅牢性が増す、といった結論を得ることができ、新型錨の形状を見出すことができた。 数値シミュレーションのためのモデル化の方法の検討については、係留索モデルにランプドマス法を用いた。それにより、基礎的ながら錨泊中の船舶の張力のシミュレーションを行うことが可能になるとともに、その適用性についても基礎的ながら既存の文献との比較・検討から確認することできた。これによって、錨泊中の船舶の波浪中挙動についての数値シミュレーションを行うことが可能となった。さらに、本研究から商船用錨は新型錨となっても極端に大きさを変えることができないこともわかった。これらのことから、本錨性能チャートによって新型錨を用いた場合の船舶の大きさ毎の把駐力をある程度推定することができ、それを用いて新型錨の把駐力を係留条件として設定し、シミュレーションを実施することが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度における研究目標は新型錨の形状の決定および錨性能をシミュレーション可能とすることであるため、概ね研究目標を達成できたと考えられる。しかしながら、H24年度末~H25年度中盤にかけて水槽の老朽化による錨の曵引装置の故障により、水槽実験および新型錨の開発、数値シミュレーション法との比較・検討に遅れが発生した。そのため、期間延長を申請し、現在は新型錨による模型実験および本新型錨の把駐性能を考慮した係留条件による数値シミュレーションを行っているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新型錨模型を作成し、その性能について検証実験を行う。また、数値シミュレーション法を用いて、本新型錨を用いた場合の船舶の走錨の有無について数値実験結果と水槽実験結果の比較・検討を行っていく予定である。また、錨の詳細な挙動をシミュレーション可能な数値シミュレーションプログラムについて開発を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度までに実験結果を基にした錨性能評価チャートの作成と、評価チャートと数値シミュレーション結果の比較・検討を行い、高性能新型錨を開発し、模型実験を実施する予定であったが、H24年度末~H25年度中盤にかけて水槽の老朽化による錨の曵引装置の故障により、模型実験を実施できない時期が発生した。そのため、新型錨の開発が滞り、それに伴い新型錨模型の制作ができず、未使用額が生じた。 H25年度末に水槽の修理が完了し、通常通り実験が行えるようになった。そのため、期間延長申請を行った。H26年度に残された実験項目の実施および錨性能評価チャートの作成および新型錨模型のデザイン、数値シミュレーション法の開発を行う。次年度使用額は新型模型錨製作のための経費に充てる。
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Research Products
(3 results)