2013 Fiscal Year Annual Research Report
初期装荷トリチウム無し起動法による放射性物質輸送の無い完全自立型核融合炉概念構築
Project/Area Number |
23760820
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Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
日渡 良爾 一般財団法人電力中央研究所, 原子力技術研究所, 主任研究員 (40371348)
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Keywords | 核融合エネルギー / トリチウム / トカマク燃料サイクル / 炉心プラズマ / プラントシステム解析 / 初期装荷トリチウム |
Research Abstract |
国際熱核融合実験炉(ITER)計画によって世界の民生目的で備蓄・流通しているトリチウム燃料のほとんどを使い果たすため,ITER以降の発電実証プロジェクトでは初期装荷トリチウム入手が課題となる.本研究では,その課題の解決策として,申請者等が開発した初期装荷用トリチウムを必要としないプラント起動法の詳細化ならびに最適化を実施した. 平成23年度は研究の実施に必要となる解析コード類を整備するとともに,原型炉概念Demo-CRESTでの炉心プラズマ運転可能領域の解析を実施した.平成24年度の解析では,プラズマ平衡コード,MHD安定性コード,電流駆動解析コードを用いて,炉心プラズマの平衡・安定性・電流駆動特性の整合性を満たす条件下で,必要となるプラズマ温度,密度,閉じ込め改善係数等のプラズマ性能パラメータ等も含めた立上げシナリオを解析した.平成25年度は,前年度のプラント立ち上げに関する検討の詳細化を進めた.立上げシナリオにおいては,幅広いプラズマ性能(規格化β値,閉じ込め改善係数,プラズマ電流分布等)での運転が可能であることを示しているが,新たにプラズマ平衡制御の観点からも解析を実施し,プラズマ電流が平坦化した方が供給磁束を大きくできる(制御に有利になる)ことを明らかにした.また,炉心プラズマの温度・密度の運転条件と定格運転までのトリチウム生成時間との関係を把握するため前年度までに整備した解析コードを用いて検討した結果,炉心プラズマの密度を大きくした方がトリチウムを生成DD核融合反応数が多く,定格運転までの時間を短くできることがわかった. 最後に,これまでの3年間の結果を,プラント装置サイズ,炉心プラズマ性能の観点からの立ち上げシナリオを比較し,装置サイズが小さくかつ,プラズマ密度が高い運転が立ち上げ期間(トリチウム燃料の割合が0%の状態から定格運転の50%に到達する期間)の短縮に有効であることを明らかにした.
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Research Products
(4 results)