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2014 Fiscal Year Annual Research Report

高山生態系の特性を利用した、送粉ネットワーク構造の解析

Research Project

Project/Area Number 23770017
Research InstitutionUniversity of Toyama

Principal Investigator

石井 博  富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 准教授 (90463885)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2015-03-31
Keywords送粉ネットワーク / 高山生態系 / 双翅目ポリネーター
Outline of Annual Research Achievements

北アルプス立山の高山帯で訪花昆虫の調査を行い、送粉ネットワーク構造の解析を行った。その結果、これまでに報告された多くの送粉群集と同様、立山高山帯の送粉群集にも、統計的にネスト構造とモジュール構造の両方が認められた。しかし、ネスト構造は、主にポリネーター種や植物種の観察数(アバンダンス)の偏りによってもたらされており、ポリネーター各種の訪花特性を反映したものとは思われなかった。一方、モジュール構造モデルでは、モジュールにおさまらないリンク(リンク:訪花による相互作用が観察された昆虫と植物の組み合わせ)が多く存在した。また、そのリンクの分布は一様ではなかった。従って、ネスト構造もモジュール構造モデルも、送粉群集の特徴を的確に記載しきれていないと思われた。そこで、訪花者と植物種を、その訪花傾向と訪花昆虫種の組成をもとに幾つかのグループに分け、それぞれのグループに属する訪花昆虫種が、1ないし数個の植物種グループを訪花すると仮定してネットワークを解析したところ、説明できないリンクの数が激減した。これは、送粉群集をこれまでと異なる新しいネットワーク構造モデルで説明することが妥当であることを示す結果である。
この研究の過程において、汎存的な双翅目ポリネーターにも種ごとの選好性の違いが存在することも示された。これまで双翅目ポリネーターは、概して口吻長が短いため、形態が単純な花を非選択的に訪花するものとして扱われる傾向にあったが、従って、この研究で汎存的な双翅目ポリネーターにも種ごとの選好性の違いが存在することが示された意義は大きい。今後は、こうした選好性が形成される理由を明らかにしていくことが、送粉ネットワーク構造か形成されるメカニズムを理解するうえで重要と思われる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2015

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Host manipulation of bumble bee queens by Sphaerularia nematodes indirectly affects foraging of non-host workers.2015

    • Author(s)
      Kadoya EZ, Ishii HS
    • Journal Title

      Ecology

      Volume: 96 Pages: 1361-1370

    • DOI

      10.1890/14-0036.1

    • Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] ヒメマルハナバチは高山帯で営巣しているのか?:フィーダーと巣の往復時間をもとにした営巣場所の推定2015

    • Author(s)
      中村友香・中嶋岳詩・石井博
    • Organizer
      第62回日本生態学会
    • Place of Presentation
      鹿児島
    • Year and Date
      2015-03-18 – 2015-03-22

URL: 

Published: 2016-06-01  

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