2013 Fiscal Year Research-status Report
河口干潟に供給された落葉の分解過程と底生動物による利用状況の解明
Project/Area Number |
23770025
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐々木 晶子 広島大学, 生物圏科学研究科, 助教 (10535470)
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Keywords | 河口干潟 / 炭素循環 / 落葉分解 / 底生動物 |
Research Abstract |
野外調査により、河口干潟におけるヨシ落葉(リター)の分解過程を調べた結果、供給されたリターは比較的速やかに分解され、現地での滞留は長期には及ばないことが示された。 調査では、調査地の約1km上流で採取したヨシの落葉を入れたメッシュバッグ(リターバッグ)を作成し、河川の増水によりリター供給されやすいと予測される梅雨時期(6月)に河口干潟に設置した。設置後、不定期にリターバッグを回収し、残存する有機物重量を怦量、その後強熱減量を測定した。リターバッグ設置時の有機物重量を100%として、回収時の残存率を求めた。 設置後1ヶ月経過した時点では、リターの約7割が残存していた。その後、著しく分解が進み2ヶ月半経過すると3割にまで減少し、3ヶ月を過ぎると残存率(約2割)がほとんど変化しなくなった。以上の結果から、河口干潟に供給された落葉は数ヶ月の中にその半分以上が分解されることが明らかになった。他の先行研究と同様、河口干潟における落葉分解過程においても、その重量減少には有機物の細粒化と無機化が寄与していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで行った、底生動物の摂食実験および食性解析に加えて、野外における落葉の分解過程の定量的把握を進めた。本年度予定していた無機化量の推定については次年度に進めることとし、予備検討を行った。本研究課題の進捗状況は、当初の計画に比べやや遅れているが、最終年度に野外調査と室内実験を並行し、課題の遂行に向けて取り組む予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
河口干潟における落葉(リター)の分解過程を定量的に把握するために、これまで行った野外調査に加えて、室内実験により落葉の無機化速度、無機化量の推定を進める。また野外におけるリターパッチの形成状況を定期的に調査し、河口干潟におけるリターパッチの形成頻度および、その滞留期間を明らかにする。
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Research Products
(1 results)