2012 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体関連分解における糖タンパク質の新しい分解経路の解明
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23770162
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
細見 昭 独立行政法人理化学研究所, 糖鎖代謝学研究チーム, 特別研究員 (60525864)
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Keywords | 蛋白質 / 糖鎖 |
Research Abstract |
本研究は、真核細胞の基本的なタンパク質分解機構である小胞体関連分解(ER-associated degradation; ERAD)をより理解するために、酵母において、ERADで機能すると考えられる未知のエンドペプチダーゼを同定し、その機能を調べることを目的にしている。平成24年度に行ったエンドペプチダーゼの同定に関する成果を以下に示す。 ERADで分解されるタンパク質を可溶性型と膜貫通型に分けて研究を行っている。その理由はそれぞれの切断を行うエンドペプチダーゼが異なる可能性があるからである。 まず、可溶性型タンパク質の切断について述べる。可溶性型モデルタンパク質としてCPY*(液胞内局在カルボキシペプチダーゼYの変異体)を切断する酵素の候補としてSte24というタンパク質を発見した。Ste24遺伝子破壊株ではCPY*が切断された中間体が減少したので、切断酵素と示唆された。さらに、ERAD関連遺伝子とSte24遺伝子の二重破壊株を作製したところ、それぞれの単独破壊株よりも薬剤に弱くなった。この結果はSte24がERADに関わることを示唆している。 続いて膜貫通型タンパク質を切断するエンドペプチダーゼについて述べる。前年度の研究により、膜貫通型モデルタンパク質RTL(RTA-transmembrane-Leu2)の切断を行う候補としてロンボイド型プロテアーゼを見出した。しかし、酵母に存在するロンボイド型プロテアーゼ5個全てを破壊した株においてもRTLの中間体が存在することから、RTLを切断する酵素の同定には至らなかった。
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