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2011 Fiscal Year Research-status Report

咽頭弓分節化に伴い周期的に発現変動する遺伝子の分子計時機構解明

Research Project

Project/Area Number 23770268
Research InstitutionKitasato University

Principal Investigator

大久保 直  北里大学, 医学部, 講師 (10450719)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords咽頭弓 / 分節 / Ripply3 / Tbx1 / GFP / 発現制御
Research Abstract

脊椎動物の発生過程では5~7対の咽頭弓が、発生の進行とともに頭側から尾側に向かって順次作られて行く。各咽頭弓は内胚葉と外胚葉が接した咽頭嚢および咽頭裂と呼ばれる構造によって区切られており、このようなスリットの周期的な形成が咽頭弓の構造的分節性のもととなっている。マウスのRipply3遺伝子は、咽頭弓分節化予定領域の内胚葉と外胚葉でまず強く発現し、その後形成された咽頭嚢とそれに隣接する外胚葉に発現し、そして徐々に消失する。このようにRipply3の発現は、各咽頭弓の形成のタイミングに呼応するかのように発現のON/OFFを繰り返していることがin situ hybridizationによる解析からわかってきた。そこで本研究は、咽頭弓分節にともなうRipply3の周期的な発現変化を生み出す分子メカニズムを解明することが目的である。 平成23年度は、マウスRipply3遺伝子のプロモーター配列にGFPをつないだトランスジェニックマウスを作製し、咽頭弓の内胚葉と外胚葉でGFPを特異的に発現するラインを複数系統スクリーニングした。これらトランスジェニックマウス胚において、咽頭弓分節にともないGFPの発現が周期的に後方へシフトしていくことが観察できた。現在、マウス胚の全胚培養系の確立を試みており、今後その系を用いてGFPシグナルの時空間的変動をタイムラプス蛍光顕微鏡を用いて追跡する。またRipply3 mRNAに対するin situ hybridizationを体節数に応じて細かいステージで行ったところ、Ripply3 mRNAの発現とGFPタンパク質の発現に若干のタイムラグがあることがわかった。以上の結果から、少なくともRipply3の上流域には発現の周期的ON/OFFを制御する因子が作用する配列があると予想された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

マウスRipply3遺伝子のプロモーター配列にGFPをつないだトランスジェニックマウスを作製し、咽頭弓の内胚葉と外胚葉でGFPを特異的に発現するラインを得たことにより、ライブイメージングが可能となった。また、Ripply3の上流プロモーター配列にRipply3の周期的な発現のON/OFFを制御する領域があることが示唆されたことで、制御因子を絞り込む足掛かりができた。今後、in vivoおよびin vitroの系を用いてRipply3の発現に関わる分子計時機構を解明できる。ゆえに、本計画はおおむね順調に進んでいると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

今後、Ripply3の上流解析として、まずRipply3 GFPの全胚培養系の確立、および胎生9-10日胚のタイムラプスイメージングを行う。その系に様々はシグナル伝達関連因子を添加し、GFPの発現に及ぼす影響を調べる。また、Ripply3 mRNAとGFPタンパク質の発現を比較し、咽頭弓においてRipply3が機能する時空間的な発現変動パターンを詳細に解明する。Ripply3のプロモーター配列をluciferaseベクターにつなぎ、培養細胞を用いてプロモーターアッセイを行う。また、プロモーター領域における既知の転写制御因子のDNA結合配列等の解析から、活性化因子および抑制因子の探索と同定を行う。すでに候補となる転写活性化因子を見つけており、その作用機序についての解析もすすめる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

マウスの飼育及び購入費、遺伝子型決定にかかるPCR関連費用、プラスミド作製等の分子生物学関連試薬、培地及び血清、組織・形態学的解析に関わる試薬や抗体等の購入に使用する。また、学会での成果発表および研究打ち合わせ等のための旅費として使用する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012 2011

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 咽頭弓からの胸腺形成と先天性異常の発症機構2012

    • Author(s)
      大久保直、高田慎治
    • Journal Title

      生化学

      Volume: 84 Pages: 168-176

  • [Journal Article] 細胞系譜解析からみた舌・軟口蓋上皮の幹細胞システム2011

    • Author(s)
      大久保直
    • Journal Title

      日本味と匂学会誌

      Volume: 18 Pages: 29-35

URL: 

Published: 2013-07-10  

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