2013 Fiscal Year Annual Research Report
咽頭弓分節化に伴い周期的に発現変動する遺伝子の分子計時機構解明
Project/Area Number |
23770268
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
大久保 直 北里大学, 医学部, 准教授 (10450719)
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Keywords | 咽頭弓分節 / 転写活性化 / ネガティブフィードバック / Tbx1 / Ripply3 |
Research Abstract |
脊椎動物の胎児期に現れる咽頭弓は、発生に伴い頭部側から尾部側へと順次分節形成が進行する。マウスのRipply3遺伝子は、咽頭弓分節化予定領域の内胚葉と外胚葉でまず強く発現し、分節化が起こるとしだいに減弱し、次の分節予定域で再び発現が強まるといった特徴的な周期性を示す。本研究は、咽頭弓分節に伴うRipply3の時空間的な発現変化を生み出す分子メカニズムを解明することが目的である。 昨年度までの解析において、作製したRipply3プロモーターEGFPトランスジェニック(Tg)マウスでは、まず第1咽頭弓の分節化に伴い外胚葉と内胚葉でEGFPが特異的に発現し、そして周期的にEGFPの発現がOn/Offしながら後方の咽頭弓へシフトすることを見出した。また、このプロモーター配列をルシフェラーゼレポーターにつなぎ、培養細胞を用いてRipply3プロモーターに対する転写因子の影響を調べた結果、Tbx1は量依存的にプロモーター活性を上昇させた。一方、Ripply3は量依存的にTbx1の転写活性を抑制したことから、Ripply3の発現を調節するネガティブフィードバック機構が存在することが示唆された。 平成25年度は、Ripply3 KOマウスとRipply3プロモーターEGFP Tgマウスの複合変異体を作製し、in vivoにおいてRipply3プロモーターの活性制御機構を解析した。その結果、予想どおり野生型に比べてRipply3 KOマウスの遺伝的背景では、EGFPの発現は咽頭弓分節に伴ったスリット状にみえず、むしろ後方の咽頭弓分節予定領域まで連続して広がり、蛍光強度も上昇していた。また、Tbx1 KOマウスではRipply3の発現低下が観察されることを考え合わせると、in vivoにおいてRipply3の発現周期性が自身のネガティブフィードバックにより調節されている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)