2011 Fiscal Year Research-status Report
メロンの単為結果性の遺伝学的解析と育種的利用に関する研究
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23780034
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
吉岡 洋輔 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所・野菜育種・ゲノム研究領域, 研究員 (50462528)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | メロン / 単為結果 / SSR / 連鎖解析 |
Research Abstract |
メロン単為結果性の遺伝学的解析と育種的利用に関する知見・技術を得ることを目的に、本年度は単為結果性の遺伝解析のための集団の育成、単為結果性評価手法の再検討、遺伝解析用集団に適用可能なDNAマーカーの選定に着手した。具体的には、(1)普通栽培と抑制栽培において、単為結果性の強い雑草メロンやマクワウリの品種・系統の単為結果性を再評価し、遺伝解析等に用いる品種・系統を選定した。また、単為結果性発現の季節間差を明らかにし、単為結果性の最適な評価時期を明らかにした。(2)これまでに用いてきた単為結果性の評価法(除雄・袋がけ)に代わる効率的な評価法を確立することを目的に、袋がけのみ、除雄のみ及び柱頭切除等の複数の方法の正確性や効率性について、充実種子形成の有無、果実の肥大性及び作業効率を基準に評価した結果、柱頭切除法が最も正確かつ効率的な手法であることを明らかにした。(3)半促成栽培において、単為結果性系統と非単為結果性の現行メロン品種・系統との交雑種子(F1世代)と、単為結果性をもつ複数の雑草メロンおよびマクワウリの品種・系統間の正逆総当たり交配によるダイアレル分析用の種子(F1世代)採種に着手した。(4)野菜茶業研究所が過去に開発したものに加え、ウリ科植物ゲノム研究国際コンソーシアム(ICuGI)のCucurbit Genomics Databease(CuGenDB)に登録されている既存のSSRマーカーの中から、(3)で育成している解析集団の親候補系統を含む、複数のメロン品種・系統で多型が得られるマーカーを選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請時の計画の内、(1)遺伝解析用集団の育成については、普通栽培、抑制栽培及び半促成栽培において、着実に進められたこと、(2)DNAマーカーの選定・開発では、これまでにデータベース情報等を用いて、連鎖解析等の解析に十分な数のSSRマーカーを選定できたことから、本課題の現在までの達成度を「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請時の計画の通り、平成24年度以降は(1)表現型データのみを用いた単為結果性の遺伝解析、(2)連鎖解析のための解析集団のジェノタイピングと連鎖解析、(3)単為結果性系統の選抜実験に着手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は、交付申請時の計画どおりに使用する。なお、次年度使用額74140円は、研究費を効率的に使用して発生した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。
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