2013 Fiscal Year Annual Research Report
メロンの単為結果性の遺伝学的解析と育種的利用に関する研究
Project/Area Number |
23780034
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉岡 洋輔 筑波大学, 生命環境系, 助教 (50462528)
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Keywords | 単為結果 / メロン / QTL / 劣性 / 果実 |
Research Abstract |
本課題では雑草メロンのもつ単為結果性の遺伝的機構を解明し、育種的利用のための科学的・技術的知見を獲得することを目的として、単為結果性の遺伝解析のための解析集団の育成、解析集団に適用可能なDNAマーカーの選定、解析集団のジェノタイピングと単為結果性の評価、さらに分離比検定、ダイアレル分析及び連鎖解析等の遺伝解析を実施した。また、単為結果性メロン系統と現行メロン品種・系統間の交雑後代の単為結果能力の選抜を実践し、現行品種並の果実品質をもつ単為結果性メロン品種の育種可能性を探った。これまでの研究成果の概要は下記の通りである。(1)単為結果性系統と非単為結果性品種(アールスフェボリット春系3号)とのF2集団の単為結果性を2回の抑制栽培で評価した結果、単為結果性と非単為結果性個体が分離比9:7に高い確率で当てはまったことから、単為結果性は2つの主要な劣性遺伝子により支配されていると推定された。また、単為結果性系統の片側ダイアレル分析の結果、単為結果率や単為結果果実の平均重量などの形質はいずれも不完全優性の形質であることが明らかになった。(2)F2集団の両親系統を含む複数のメロン品種・系統で多型が得られるマーカー200個程度を選定し、F2集団の各個体のジェノタイピングを実施し、単為結果性のQTL解析を進めた。(3)単為結果性系統を一回親、アールスフェボリット春系3号を反復親とした連続戻し交雑を実施し、これまでにBC2F2の種子を採種した。今後連続戻し交雑をさらに進めた後に、果実品質等の調査を行う予定である。以上の結果から、本研究で見出した単為結果性系統を素材として、幅広い作型で単為結果するメロンF1品種の育成が可能であり、特に比較的低節位で安定的に単為結果するF1品種を育成するためには、両親系統ともに劣性の単為結果性遺伝子をもつことが必要であると考えられた。
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