2013 Fiscal Year Research-status Report
ブドウ果実におけるフラボノイド代謝に関与する遺伝子の機能解析
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23780036
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Research Institution | National Research Institute of Brewing |
Principal Investigator |
小山 和哉 独立行政法人酒類総合研究所, その他部局等, 研究員 (30416424)
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Keywords | 園芸学 / ブドウ / フラボノイド / プロアントシアニジン / 二次代謝 / ストレス応答 / ゲノム |
Research Abstract |
植物の二次代謝産物であるフラボノイド化合物は抗酸化性、抗ウィルス性、抗ガン性など多くの機能性をもつことから、注目される化合物である。フラボノイドの化合物組成は、種々のストレス環境下において変動することから、植物にとって、生物的及び環境ストレスに対する防御化合物としての役割をもっていることが示唆されている。これまで、ブドウ果実における主要フラボノイドであるプロアントシアニジンに着目し、異なる光環境条件下においてプロアントシアニジンの変化と呼応した変動を示すMYB型制御因子VvMYBPARをスーパーセージ法によって同定した。平成25年度はこのMYB型制御因子の機能解析を更にすすめるため、ブドウ培養細胞を用いた一過性の遺伝子発現系を用いてレポーターアッセイを行った。VvMYBPARは、これまでに報告のあるプロアントシアニジン制御因子と同様に、プロアントシアニジン特異的な経路の遺伝子に加えて、フラボノイド共通経路上の遺伝子のプロモーターを活性化するが、アントシアニン生合成経路のVvUFGTには影響がみられないことがわかった。 一方、VvMYBPARの遺伝子発現は既に報告のあるVvMYBPA2と異なる、組織・時期特異性、環境応答性を示し、異なるプロアントシアニジン特異的生合成系遺伝子を制御していることが示唆された。これらの相同性の高いMYB型制御因子が機能分担してブドウ果実におけるプロアントシアニジン生成の制御を行っていることにより各部位や発達時期によるプロアントシアニジン組成の違いが生じていると推察された。これらの結果について学会発表2回、論文1報の作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抽出された遺伝子のブドウにおける機能解析にあたって、パーティクルガンを用いた一過性の発現系をブドウ培養細胞を用いて立ち上げ、この遺伝子のブドウにおける機能の詳細を明らかとした。また、これまでの結果と合わせて、学会発表2回、報文作成1報を行えたのは当初の計画以上に進展していると考えられた。しかし、エンブリョウジェニックカルスを用いたブドウの形質転換体の作成には最低半年あまりの期間を要するが、当所における方法の確立に時間を要し、形質転換体の作成、解析による当遺伝子のIn vivoの解析については今後の検討が必要と考えられた。 以上のことより全体としては、計画通り、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ブドウにおける遺伝子過剰発現株及び抑制株を作成し、スーパーセージ解析もしくはマイクロアレイ解析を行い、遺伝子の機能解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ブドウ果実におけるフラボノイド代謝に関与する遺伝子をスクリーニングし、その機能解析に取り組んできた。平成25年度にあたっては、ブドウを用いた当遺伝子を過剰発現、または抑制させた形質転換体を作成し、その解析を行うことを計画していたが、ブドウにおける形質転換体作成には最低半年あまりの期間を要するが、当所における方法の確立に時間を要し、形質転換体の解析のために計画していた予算が未使用額として発生した。 作成した形質転換体を用いて、スーパーセージ解析もしくはマイクロアレイ解析を行い、遺伝子(転写因子)の機能解析を行う予定である。
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Research Products
(3 results)