2011 Fiscal Year Research-status Report
内湾域における漁獲生物から漁場環境を推定するための生物指標の作成
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23780192
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
内田 圭一 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (50313391)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 内湾 / 漁場環境 / 環境指標生物 |
Research Abstract |
漁業現場で環境状況を推定できる指標生物の選定と環境の関係を明らかにする事を目的として,あなご筒漁と小型底引き網漁を対象に調査を行った。あなご筒漁に関しては,ほぼ予定通り,月一回の調査を行うことができたが,底引網に関しては当初執行された予算と漁期の関係から1回しか行うことができなかった。一方で,あなご筒漁の調査結果から,指標として利用可能な底生成物の選定はできた。以下初年度の研究項目とその成果1)小型底びき網による調査:1回の調査しか行うことはできなかったが,漁場毎に異なる生物相を確認することができた。2)あなご筒漁具による調査:予定通り月1回の調査を実施した(7月から7回)。また,東京湾と似た伊勢湾においてもあなごかご漁にて同様の調査を実施し,データの取得を行った。3)生物指標生物の選出:初年度の調査から,ヨコエビ,ハナムシロ,ウミフクロウ,クモヒトデ,イトマキヒトデ,マヒトデ,フタホシイシガニ,マルバガニ,ケブカエンコウガニ,ヌタウナギを指標生物として選定した。初年度の調査結果内容の一部は,The 8th International Symposium on SEASTAR2000 and Asian Bio-logging Scienceにて「Observation behavior of White Spotted Conger-eel Conger myriaster to baited trap」,平成24年度日本水産学会にて「晩秋の東京湾におけるマアナゴの分布特性」として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査開始当初,予算の全額執行されるかが定かでなかったため,底引網での調査時期を逃してしまったが,あなご筒漁の方で十分なデータを取得することができたため,調査としては概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は予定通り,初年度の調査から指標生物として選出された種を中心に調査を継続し,同時に生物指標の作成を進める。調査は,初年度と同じ方法とするが,生物指標を作成する上でより特徴的な傾向の見られた時期に集中的に実施する。また,昨年度の最初の調査が7月であったため,今年度4月,5月,6月に調査を実施することで通年を通したデータとして,7月以降は予定通り,二月に一回程度の調査として行く予定である。また初年度の結果を取りまとめ,秋に行われる日本水産学会にて発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度,予算の執行の遅れなどで調査時期を逃したため,予算の一部を繰り越した。この分に関しては,今年度の調査の充実化を図る上で,使用を計画する。配分される研究費を勘案し,当初予定してた調査の回数を東京湾で9回,他の海域での調査3回として概ね予定通り実施する。それに関わる傭船費,調査旅費を計画している。また,初年度の結果の公表を学会などで発表するための旅費,調査にて必要となる消耗品などの予算を合わせて計上する。
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Research Products
(3 results)