2013 Fiscal Year Annual Research Report
畜舎排水に含有するフミン質を利用した微生物燃料電池の開発
Project/Area Number |
23780272
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
山下 恭広 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産草地研究所畜産環境研究領域, 研究員 (60547719)
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Keywords | 電気産生菌 / フミン酸 / タングステン / 燃料電池 / 発電 |
Research Abstract |
フミン酸や酸化金属等を電極触媒としてアノードに保持させることにより電気産生菌の活性を高めることが期待できることから、前年度試作した電極を用いて発電性能比較を行った。試験では、ガラス瓶製2槽式微生物燃料電池(アノード及びカソード槽(500mL))とエアーカソード方式の微生物燃料電池(容積125mL)を使用し、培地は酢酸、プロピオン酸、酪酸等を含む有機培地を用いた。エアーカソード方式では、カソードに白金を使用し最終的な白金触媒密度は0.5mg/cm2として試験を行った。その結果、コントロールとした導電性カーボン保持電極よりもタングステン保持電極の方が出力が高くなることが明らかとなり、特許出願を行った。一方、フミン酸を保持させた電極はコントロールと比較して顕著な差は認められなかった。この結果から、ナフィオン液を使用した触媒保持方法ではフミン酸を有効に活用することはできないが、タングステンを保持させる場合には有効であることが示唆された。また、他の水素イオン伝導性ポリマーを用いることにより更なる出力向上が期待される。試験では、種菌を2種類使用し研究所内浄化施設の活性汚泥又は乳牛ふん尿スラリーを用いて試験を行ったが、両者で有意な差は認められなかった。電極作製においては水素イオン伝導性ポリマー及び導電性カーボンの含有量、ホットプレスの圧力温度条件が重要な因子となり、出力に影響するものと推察された。以上のことから、フミン質を保持させた電極の開発には成功したが高出力には結び付かなかった。一方、タングステンを保持させることにより高出力が期待できるデータが得られた。
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