2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23780307
|
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
松本 高太郎 帯広畜産大学, 畜産学部, 講師 (90455709)
|
Keywords | リケッチア / ノミ / エゾリス |
Research Abstract |
北海道十勝管内の4市町および釧路管内の1町より、捕獲もしくは事故死体の受入れによりのべ66個体(最終年度50個体)のエゾリスを採取し、血液41検体(同29検体)、脾臓29検体(同27検体)、および体表のノミ475匹(同396匹)を採取した。 エゾリスの血液および脾臓から抽出したDNAをリケッチア属特異的nested-PCRにかけたところ、血液は全て陰性であったが、脾臓は4検体(13.8%)が陽性を示した。また、種の同定が可能であったノミ342匹のうち、272匹はMonopsyllus属、69匹はAenigmopsylla grodekovi、1匹はCtenophthalmus属であった。ノミから抽出したDNA検体についてリケッチア属特異的nested-PCRを行ったところ、Monopsyllus属ノミでは14.3%、A. grodekoviでは43.5%が陽性であった。gltA遺伝子の部分配列を解析したところ、ノミ種が同じ検体の配列は一致したが、異なるノミ種の間では1ヵ所が異なっていた。 Monopsyllus属ノミから検出されたリケッチア属細菌について、gltA、ompB遺伝子の部分配列を決定し、既知の種の配列と比較した結果、Rickettsia felisと最も類似していることが明らかとなった(98.8%-99.7%)。また、A. grodekoviから検出されたリケッチア属細菌のgltA、ompB、16SrRNA、rpoBおよびgeneD遺伝子の部分配列を決定、既知種との比較を行った結果、R. felisと最も類似していた(95.1%-99.6%)。 上記結果から、エゾリスは主に2種のノミに寄生されており、これらのノミは種ごとに異なる株の、ヒトに病原性をもつR. felisに近縁なリケッチア属細菌を保有していることが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)