2013 Fiscal Year Annual Research Report
脂質過酸化反応における脂質ラジカルと生体内分子の反応産物の検討
Project/Area Number |
23790053
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高城 徳子 日本薬科大学, 薬学部, 講師 (80424068)
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Keywords | 脂質過酸化 / 酵素 / ラジカル |
Research Abstract |
脂質過酸化反応の開始段階において酵素が関与している場合と、酵素以外のラジカルが引き金となって反応が開始している場合が考えられ、これらの過程で反応産物あるいは反応中間体の構造に相違があるか否か検討を行った。反応中間体のアルデヒドの検出を目的として、2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を反応系に添加し、反応産物の検出を試みた。リポキシゲナーゼ(大豆由来、ヒト赤血球由来15-リポキシゲナーゼ、ポテト由来5-リポキシゲナーゼ)あるいはラジカル発生剤AMVNまたは紫外線照射を用いて、脂質(リノール酸、アラキドン酸)を酸化し、反応中に産生されるアルデヒドとDNPHの反応産物をHPLCで検出を行った。DNPH反応物のHPLCのピーク出現は脂質が同じであれば、過酸化の方法によらず同様のパターンを示した。脂質過酸化において産生されるアルデヒドがDNPHと反応することにより、脂質過酸化がストップする可能性も考えられるが、脂質ハイドロパーオキサイドが検出されていることから、一部のアルデヒドがDNPHと反応し、一部はDNPHと反応することなく脂質過酸化が進行していると考えられる。脂質過酸化反応で連鎖反応中におけるアルデヒドとDNPHが反応可能な条件下で検討していると考えられるが、今回用いたHPLC測定条件下においては、酵素反応でも非酵素反応(ラジカル発生剤による化学的反応、UV照射による物理的刺激)でも反応中に産生するアルデヒドとDNPHの反応産物に相違は認められなかった。 これまでの結果から、酵素的反応と化学的反応で産生される反応産物の検出において今回用いた測定した条件下においては、反応産物の構造的な相違は認められなかった。
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Research Products
(1 results)