2011 Fiscal Year Research-status Report
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23790090
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
谷村 進 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90343342)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 癌 / シグナル伝達 / 細胞運動 / リン酸化 / スプライシング / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
本年度は特に下記3項目に焦点を当てて解析を進めた。(1)SH3P2とhnRNP-Kの相互作用:免疫共沈法によって内在性hnRNP-K、あるいはGFP-hnRNP-KとSH3P2の結合を確認したところ、わずかではあるものの相互作用が確認された。しかし、この相互作用は血清等の細胞外刺激等によっても有意な変動が認められなかった。これは、SH3P2とhnRNP-Kの結合が極めて微弱である可能性、あるいは何らかの分子を介して間接的に結合している可能性が考えられる。そこで、本結果を踏まえながら現在、新たなSH3P2結合分子の同定を進めている。(2)SH3P2による遺伝子発現調節メカニズム:SH3P2、あるいはSH3P2非リン酸化変異体を過剰発現させたHT-1080細胞を用いて、Matrix metalloproteinase (MMP)-2/-3/-9-14、Osteopontin、CD44、EzrinのRNAスプライシング変化を比較検討した。その結果、MMP-3/-9、及びOsteopontinのスプライシングは抑制されるものの、MMP-2/-14、CD44、及びEzrinのそれには影響が認められないことが明らかとなった。(3)Myosin1E結合タンパク質の同定:本研究計画から派生した解析として、Myosin1E(これまでにSH3P2結合分子として見いだしている)に関して、免疫共沈/質量分析法を用いて結合タンパク質の同定を進めた結果、UNC45、及びHsp90を見いだした。これらの分子はMyosinのモーター部位に結合する分子シャペロンであることが報告されており、現在、SH3P2との関わりに着目して解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要欄の項目(1)に関しては、当初の研究計画より若干の修正が必要となったが、既にそれに対応した研究を進めている。また、項目(3)に関しては本研究計画の立案当初には想定できなかった新たな知見を得ることができており、研究計画全般的には順調に進行しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、特に研究実績の概要欄の項目(1)及び(3)に重点を置きながら研究を進める。具体的には、新たなSH3P2結合分子の同定を中心に、それがhnRNP-Kとの結合に及ぼす影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費の大部分は、研究推進のための消耗品購入に充てる。また、研究成果の発表用の旅費、及び研究成果投稿料として使用する予定である。
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