2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790423
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 泉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60600468)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 尿細管間質線維化 / マクロファージ / 実験腎炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、腎臓におけるカベオリン1の意義を検討することを目的としている。具体的には、カベオリン1ノックアウトマウス、トランスジェニックマウス、ワイルドタイプマウスに対して、腎移植と関連のある腎不全モデルを中心に、虚血再灌流モデル、尿管結紮モデル、eNOS阻害剤投与モデル、抗VEGF抗体投与モデルを検討してきた。2013年までに、尿管結紮モデルおよびeNOS阻害剤投与モデルにおいてのみ、カベオリン1ノックアウトマウスでワイルドタイプに比し約3倍の尿細管間質における線維化の増加を示してきた。 カベオリン1ノックアウトマウスでより尿細管間質線維化が増加することから、カベオリン1には抗線維化作用が存在することが示唆された。そのため、本年度は、この2つのモデルの線維化に対して、マクロファージの間質への細胞浸潤の評価を行った。尿管結紮モデルにおいて、単位面積104um2あたりのF4/80陽性細胞の割合は、カベオリン1ノックアウトマウスにおいて7.3±1.96であり、トランスジェニックマウスで6.5±1.63、ワイルドタイプで4.5±1.07であり、統計学的に、カベオリン1ノックアウトマウスは、ワイルドタイプに比べて、有意にマクロファージの浸潤が強いことが判明した。(p=0.032) 同様に、LNMMAを用いたeNOS阻害剤投与モデルにおいても同様の検討を行ったが、このモデルでは、尿細管間質の線維化が進展するものの、マクロファージの浸潤は、認められなかった。したがって、尿管結紮モデルとeNOS阻害剤投与モデルでは、間質線維化のメカニズムが異なると考えられた。また、各モデルのコントロールとして、カベオリン1ノックアウトマウス、トランスジェニックマウス、ワイルドタイプマウスについておのおのF4/80によるマクロファージ浸潤を評価したが、いずれの群においてもマクロファージの浸潤は認められなかった。
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Research Products
(2 results)