2013 Fiscal Year Annual Research Report
形質細胞様樹状細胞のエンドソーム時空間的制御に関与する新規分子の網羅的探索と同定
Project/Area Number |
23790535
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北脇 年雄 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50378684)
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Keywords | 形質細胞様樹状細胞 / I型インターフェロン / IRF7 / レポーターシステム / DNAマイクロアレイ / DNAメチル化解析 |
Research Abstract |
形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell: pDC)は,I型インターフェロン(interferon: IFN)を迅速かつ極めて大量に産生する細胞であり,病原体由来の核酸に反応して生体防御に重要な役割を果たす一方で,自己細胞由来の核酸に反応して全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患の病態形成に関与する。本プロジェクトではpDCの高レベルのI型IFN産生能の基盤となる分子メカニズムの解明を目指した。 我々は芽球性pDC腫瘍患者から高レベルのI型IFN産生能を保持したヒトpDC細胞株を独自に樹立することに成功した。形質細胞様樹状細胞によるI型IFN産生はToll様受容体9(Toll-like receptor 9: TLR9)シグナルの下流で起こる。TLR9シグナル経路の下流にはIRF7経路とNF-kB経路の2つのシグナル経路が存在し,大量のI型IFN産生にはIRF7経路の活性化が決定的に重要である。このIRF7経路の活性化に特異的に関与する分子を網羅的に探索し同定することを目的に,我々は,ヒトpDC細胞株にNF-kBおよびIRF7のレポーターシステムを二重に導入することを計画した。これまでNF-kBレポーターシステムをヒトpDC細胞株に安定導入することに成功した。さらにIRF7レポーターシステムの構築を目指し,試行錯誤を繰り返し行ったが,後の実験に有用なIRF7のレポーターシステムを構築することに期間内には成功しなかった。 以上のような状況から研究計画を変更し,I型IFN産生能に差のあるヒトpDC株のサブクローンを樹立し,DNAマイクロアレイにてパスウェイ解析を行い,サブクローン間で差のあるTLR9シグナルの同定を行った。また,ゲノムワイドのDNAメチル化解析も併用した。今後,これらの解析で得られたデータを元に候補遺伝子を絞り込み,各分子の機能的な解析を行っていく予定である。
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