2013 Fiscal Year Research-status Report
禁煙後に生じる体重増加と便秘の解明:下部消化管運動能や安静時代謝量からの分析
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23790746
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
門田 耕一郎 長崎大学, 保健・医療推進センター, 助教 (40549458)
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Keywords | タバコ / ニコチン依存症 / 禁煙 / 下部消化管運動 |
Research Abstract |
本研究は、喫煙習慣のある禁煙希望者の中で同意を得た被験者に保険診療による身体的依存と心理的依存に対する治療を行い、禁煙成功後の下部消化管運動能の変化を調べる研究である。そのため本研究は禁煙治療後の禁煙成功例を上げることがとても重要である。 平成24年までの研究での保険診療で使われる各種心理療法についての検討を踏まえ、平成25年は有用であると評価された認知行動療法・行動変容ステージモデル・動機づけ面接法について検者が習得した。実際の禁煙外来で同技法を用いて臨床応用を行い、本研究のためへの禁煙成功率が向上した。またこれらの技法を使うことにより、禁煙成功率を上げるだけでなく被験者の研究継続参加率を上げることにも効果的であると考えられた。 また禁煙治療薬:バレニクリン内服薬への医薬品安全情報で処方対象者に制限が出されたことについて、今年度は処方傾向や文献的考察を検討した。またバレニクリン内服薬とニコチン置換貼付薬との治療効果について検討を行った。その結果、薬物治療については両薬ともに禁煙成功率にほとんど変わりがないことが分かった。 上記を踏まえ、今年度はさらに健常者を対象とした呼気検査による下部消化管運動機能検査を行い、昨年度までの結果を基に臨床的研究計画を立て本学の倫理委員会を承認を得て、研究実施医療機関への依頼を行った。来年度、倫理委員会に承認を得た臨床的研究計画に従い臨床研究を実施し、解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度までは上記(研究実績の概要)に述べたように、禁煙治療における禁煙成功率を上げるための研究・技術習得を行っていた。これは、禁煙成功率を上げなければ、本研究が困難になるためである。今年度で全ての研究体制が整ったため、被験者を対象とした研究を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は参加医療機関で研究参加を希望する禁煙外来受診者を募り、同意していただいた被験者に、標準的な禁煙治療(介入)を行うと共に,喫煙時(禁煙治療開始前)と禁煙治療終了時(禁煙治療開始12週間後)禁煙治療開始4ヶ月後に身体測定・食欲・排便状態・自覚的腹部症状・呼気中CO濃度と尿中コチニンによる喫煙禁煙状況を確認し血中の食欲・腸管運動関連ホルモン・呼気水素法による小腸通過時間,呼気試験法による安静時代謝量、携帯型活動計による総活動量を測定する.結果を解析、統計学的に評価し、発表を行う予定である。なお、被験者が不足した場合は他施設にも協力をお願いする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前項の「現在までの到達度」「今後の研究の推進方策 等」にも記述したように本研究において最も重要なのは禁煙成功率の向上ある。というのも、禁煙成功率が低い禁煙成功後の計測が難しくなるため、症例数が減ってしまうからである。そのため当初計画・当初使用計画とは異なり、今年度までは禁煙成功率を上げるための研究と本臨床研究を行う準備を行ったため次年度使用額が生じた。 また、禁煙治療薬バレニクリンに対する医薬品安全情報が出たことにより、本研究で使用する薬剤選択に当たって慎重に判断していたため次年度使用額が生じた。 来年度は参加医療機関で研究参加を希望する禁煙外来受診者を募り、同意していただいた被験者に、標準的な禁煙治療(介入)を行うと共に,喫煙時(禁煙治療開始前)と禁煙治療終了時(禁煙治療開始12週間後)禁煙治療開始4ヶ月後に身体測定・食欲・排便状態・自覚的腹部症状・呼気中CO濃度と尿中コチニンによる喫煙禁煙状況を確認し血中の食欲・腸管運動関連ホルモン・呼気水素法による小腸通過時間,呼気試験法による安静時代謝量、携帯型活動計による総活動量を測定する.結果を解析、統計学的に評価し、発表を行う予定である。なお、被験者が不足した場合は他施設にも協力をお願いする予定である。
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