2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23790884
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
太良 修平 日本医科大学, 医学部, 助教 (80465319)
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Keywords | 末梢動脈疾患 / 非侵襲治療 / 体外衝撃波 / 血管新生治療 / 微小循環血流 |
Research Abstract |
我々は、内科的治療が無効かつ血行再建術が適応とならない難治性末梢動脈疾患(PAD)に対する低侵襲治療として、低出力体外衝撃波による血管新生治療の安全性と有効性を検討している.この治療法は反復施行が可能であり、継続施行による治療法確立を勘案した. 血管新生が主な血流改善の機序と考え、経皮酸素分圧(TcPO2)、皮膚組織潅流圧(SPP)、RI(99mTcTF)を用いた血流指数を治療前後で測定し比較検討した.TcPO2においては、酸素を負荷することでこの検査法の弱点とされてきた値のばらつきを改善し、治療後に有意な改善を認めた.RIを用いた血流指数は、当施設で開発した、新たな筋層内の血流評価法であるが、やはり、治療後の有意な改善を認めた。SPPは、改善傾向を認めたものの、有意差は認めなかった.中大動脈の血流改善の指標となるABIは、治療前後で変化を認めなかった.これらの結果より、低出力体外衝撃波による血管新生療法は、皮膚、筋層内の微小循環を改善することにより、末梢組織の血流を改善させていることが示唆された.また、施行された患者は全例、1種類以上の抗血小板薬が投与されていたが、皮膚内・筋肉内の出血や持続する痛みなどの副作用は認めなかった. 本試験により、単回施行の安全性と治療直後の有効性が示された.今後は、複数回施行による治療効果の延長、他の非侵襲治療との組み合わせによる相乗効果の検討を行う予定である.また、本試験においても有効症例と無効症例が存在した.症例数を増やしながらその規定因子を明らかにしていく予定である.
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