2012 Fiscal Year Annual Research Report
若年性パーキンソン病原因遺伝子産物がミトコンドリアを維持する分子メカニズムの解析
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23790973
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
今居 譲 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30321730)
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Keywords | パーキンソン病 / キナーゼ / ユビキチンリガーゼ / ショウジョウバエ / PINK1 / Parkin / リン酸化 |
Research Abstract |
若年性パーキンソン病原因遺伝子産物であるプロテインキナーゼPINK1とユビキチンリガーゼParkinは、協働してミトコンドリアの機能維持に関与することが示唆されている。損傷を受け膜電位が低下したミトコンドリア外膜上にPINK1が蓄積・活性化することにより、細胞質に局在するParkinがミトコンドリアへ移行する。しかし、その分子メカニズムは不明であった。 本研究では、モデルショウジョウバエを用いたスクリーニングにより同定したPINK1結合分子PGAM5の機能喪失がPINK1の機能喪失による表現型を緩解する分子メカニズムの解析と、PINK1がParkinをミトコンドリアへ移行させる分子メカニズムの解明を行った。PGAM5の機能喪失は解糖系の活性を上昇させることが示唆され、ミトコンドリア不全でエネルギー供給が悪化したPINK1ノックアウトショウジョウバエのエネルギー供給を代償することが示唆された。一方、活性化PINK1依存的にParkinのユビキチン様がリン酸化されることを見出した。このリン酸化はParkinのミトコンドリア移行を促進し、さらにミトコンドリア外膜上のParkinの基質の効果的な分解に関与していることを明らかにした。ParkinのPINK1依存的なリン酸化の発見は、Scientific Reports誌に発表した。 ショウジョウバエのさらなるスクリーニングより、PINK1の下流にmTOR complex 2 (TORC2)シグナルが関与することを明らかにした。TORC2の下流の分子としてプロテインキナーゼNDR1が関与することを示し、Genes&Development誌に発表した。
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