2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791054
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
日下部 徹 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60452356)
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Keywords | レプチン / レプチン抵抗性 / アミリン / GLP-1 / 肥満 / AMPK / 異所性脂肪蓄積 |
Research Abstract |
脂肪組織より分泌されるレプチンは、強力な抗肥満作用、抗糖尿病作用を有していることから、メタボリックシンドロームの包括的な治療薬となる可能性がある。申請者らは、低レプチン血症を呈する脂肪萎縮症症例を対象にレプチン補充療法を行い、レプチンがヒトにおいても糖脂質代謝改善をもたらすことを報告してきた。しかしメタボリックシンドローム症例においては、「レプチン抵抗性」のために、レプチン単独での治療効果には限界があった。そこで本研究では、レプチン抵抗性改善薬の探索とその改善メカニズムの解明を行い、レプチンのメタボリックシンドロームの治療薬としての可能性を検討した。 まず高脂肪食誘導性肥満マウスを用いて、膵臓より分泌されるアミリンが体重や摂食量のみならず糖脂質代謝改善作用についてもレプチン抵抗性を改善することを明らかにした(Am J Physiol Endocrinol Metab 302:E924-E931, 2012)。 次に低用量のストレプトゾトシンと高脂肪食負荷により作成した2型糖尿病モデルマウスを用いて、レプチンは消化管L細胞より分泌されるGlucagon-like peptide-1(GLP-1)との共投与により、各単独投与より有意に強い摂食抑制、体重減少を示し、血糖値を正常化させること。血糖値の改善には、単なるカロリー制限以上のインスリン感受性亢進や血糖依存性インスリン分泌促進を伴った耐糖能改善や、肝臓や骨格筋、膵臓における異所性脂蓄積低下が寄与することを示した(論文投稿準備中)。 最後に肝臓特異的レプチン過剰発現トランスジェニックマウス(LepTg)に高脂肪食を負荷して作成したLepTg/HFDマウスを用いて、レプチン抵抗性改善薬評価系を確立した。アミリン、GLP-1によるレプチン抵抗性改善効果を評価することができた。今後さらにレプチン抵抗性改善候補物質を探索していく予定である。
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Research Products
(22 results)