2013 Fiscal Year Research-status Report
皮膚バリア機構破綻アトピー性皮膚炎モデルマウスの酸化ストレス状態と治療
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23791271
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
中井 浩三 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (40363204)
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Keywords | 病態 / アトピー性皮膚炎 / 治療 / 活性酸素 / フリーラジカル |
Research Abstract |
前年度は、フィラグリンの発現が低下するとロリクリンの発現が低下し、酸化ストレスがかかってSIRT1の発現が低下、さらにEGFR、E-Cadherin、Occludinの発現が低下することをフィラグリン発現が低下しているフレーキーテイルマウスとsiRNAでフィラグリン発現をノックアウトした人表皮株化角化細胞HaCaT細胞を用いて世界で初めて証明した。 今年度は他施設との共同研究としてKlotho欠損マウスでも同様の研究を行い、Klothoがないとフィラグリンやロリクリンなどの角化関連因子の発現が低下していることを発見した。 さらにフレーキーテイルマウスにおける酸化ストレスについて詳細に分析を始めた。まず、我々は酸化ストレスにより生じる皮膚のフリーラジカル発生を電子スピン共鳴法により測定した。予想に反して、フレーキーテイルマウスにおけるフリーラジカル発生は対照マウスより少なかった。皮膚の炎症時におけるフリーラジカル発生の主な原因であるキサンチンオキシダーゼと誘導型一酸化窒素合成酵素の発現を調べたが、フレーキーテイルマウスと対照マウスで発現の差は認められなかった。これらの結果と過去の報告からフレーキーテイルマウスは主に皮膚の真皮で免疫学的な異常と炎症は認められるが真皮での活性酸素やフリーラジカルの発生は低下していると予想される。前年度に抗酸化剤で表皮のバリア機能タンパクの改善はみられたが、真皮における現象には効果がないことが示唆された。 しかしながら、様々な刺激によって活性酸素やフリーラジカルの発生がフレーキーテイルマウスでどうなるかは今のところ不明であり今後の課題となると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フレーキーテイルマウスの繁殖に成功したこと、米国国立環境衛生研究所 Free Radical Sectionの協力を得られたことによると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はなぜフレーキーテイルマウスの真皮で活性酸素やフリーラジカルの発生が低下しているのか、さらにその病態への関与について追求していくつもりである。また、リポポリサッカライドなどの外的な炎症誘発剤によってフレーキーテイルマウスと対照マウスで活性酸素やフリーラジカルがどうなるか、抗酸化剤の影響はどうかなどを検討していくつもりである。
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Research Products
(5 results)