2013 Fiscal Year Annual Research Report
脳と脊髄の拡散テンソルを用いた神経難病の早期診断、治療効果判定の指標の開発
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23791380
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
THA K.K. 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (20451445)
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Keywords | 拡散テンソル / 神経難病 / 頚髄 / 脳 / MRI |
Research Abstract |
神経難病による社会経済的な負担の軽減、患者のquality of life (QOL)の向上には、これら疾患の早期診断、治療効果や予後の早期予測が重要である。これら疾患の早期診断、治療効果・予後の早期予測のための適切な非侵襲性指標はない。本研究は、脳と脊髄の拡散テンソルによる神経難病の評価のための非侵襲性指標の開発を目的とした。 拡散テンソルの評価に健常人データとの統計学的な比較が必要である。そのため、まず健常人の脳・頚髄拡散テンソルデータベースを作成した。次に、神経難病患者の脳・頚髄の拡散テンソルと健常人データとの比較を行った。 神経難病の代表疾患の一つである、孤発性筋萎縮性側索硬化症では、通常のMRI法で明らかな異常を認めない発症早期段階でも、拡散テンソルの主な指数に有意な変化が認められた。これら変化は孤発性筋萎縮性側索硬化症による軸索縮小及び脱髄を反映していると思われる。また、拡散テンソルの変化は臨床重症度や進行の度合と、高い相関を示した。以上、拡散テンソルは、孤発性筋萎縮性側索硬化症による微細な神経線維の変化を指摘できること、孤発性筋萎縮性側索硬化症による脳・頚髄拡散テンソルは重症度や進行の度合を評価できる定量的な指標となり得ること、が示された。孤発性筋萎縮性側索硬化症評価における頚髄拡散テンソルの有用性について、現在論文投稿中である。 上記と同様に、多発性硬化症や脊髄視神経炎とその類似疾患においても、通常のMRI法で明らかな異常を認めない部分(所謂Normal-appearing white matter)にもFAの低下、MDの上昇などの拡散テンソルの異常を認めた。よって、これら病変の検出における拡散テンソルの有用性が示された。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Laterality of the corticospinal tract and the influence of handedness: the findings of a DTI study.2013
Author(s)
Tha KK, Terae S, Hamaguchi H, Ishizaka K, Popy KA, Hirotani M, Sugimori H, Fujima N, Yoshida A, Minowa K, Suzuki Y, Shirato H.
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Journal Title
日本磁気共鳴医学会雑誌
Volume: 33 (1)
Pages: 33-34
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[Presentation] The ascending sensory pathways may not be spared in amyotrophic lateral sclerosis2013
Author(s)
Tha KK, Yabe I, Terae S, Hirotani M, Hamaguchi H, Ishizaka K, Suzuki Y, Okuaki T, Minowa K, Sasaki H, Shirato H
Organizer
The 11th International Symposium for Future Drug Discovery and Medical Care
Place of Presentation
Science Bldg. No. 5, 2nd Floor, Graduate School of Science, Hokkaido University (札幌)
Year and Date
20130801-20130802
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