2013 Fiscal Year Annual Research Report
放射線治療の種類による患者QOLの違いについて~正確なQOL評価を目指して~
Project/Area Number |
23791396
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
加藤 弘之 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (30334121)
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Keywords | QOL / 有害事象 / 放射線治療 / 重粒子線治療 / 前立腺癌 |
Research Abstract |
平成23年度の研究実施計画に基づき、質問紙票による従来のHRQoL調査法を用いて、コントロールとなるHRQoLデータを収集する目的で、群馬大学で炭素イオン線治療による根治的放射線治療を行った前立腺癌患者を対象とし、国内での妥当性試験が行われ、評価が確立しているHRQoL調査方法である、SF-8(包括的HRQoL測定尺度)と、EPIC(前立腺癌特異的HRQoL測定尺度)の日本語版質問紙票を用いてHRQoL調査を行った。HRQoL調査は、変化を解析する際の基準となる治療全、急性期障害による差が出ると予測される治療終了時、さらに急性期障害の回復が期待される治療開始後90日後に行った。平成24年度の研究実施計画に基づき、HRQoL調査票の各項目について患者本人が入力可能なサーバー・クライアント型のデータベース・システムを構築し、質問紙票によらないHRQoL評価データを収集した。 収集されたデータに基づく、HRQoL評価の解析を行い国内外の学術集会で発表を行った。また、現在までの集積・解析データについて論文化を行っている最中である。 当研究課題における研究期間において発表された研究成果は、前立腺癌をはじめとする種々の固形がんに対する炭素イオン線治療による根治的放射線治療の有用性が、医療者側による評価ではなく、患者評価によるアウトカムによって確認できた数少ない有益な報告である。HRQoLデータ量は膨大でもあるため、データ解析は未だ不十分であり、特にHRQoL調査システムの違いによるQoL評価の正確性については、今後もその解析と研究を行っていく予定である。
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