2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791587
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
旭 雄士 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (60361953)
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Keywords | ハンガー反射 / 痙性斜頚 / ニューロモジュレーション / リハビリテーション |
Research Abstract |
1.頭部回旋を主症状とする痙性斜頚に対する臨床研究:われわれが開発したハンガー反射を誘発するデバイスを用いて痙性斜頚への治療効果を評価する多施設共同臨床研究を、平成24年度より開始した。現在のところ症例数は7名で、引き続き臨床研究を継続する予定である。著効例も見られており、臨床への応用が期待される。今後はさらに、ボツリヌス毒素単独 vs ボツリヌス毒素+ハンガーデバイスでのdouble blindの臨床研究を開始する予定である。 2.頭部前後屈/側屈を呈する患者への研究:前屈患者や側屈患者でも効果がみられることが判明し、前屈や側屈用のデバイスを新たに開発した。現在臨床応用し、効果を上げている。 3.発現率と発現要因の調査:われわれの研究で、健常人でハンガー反射の発現率が高率にみられることが判明し、これについては英文雑誌に投稿予定である。われわれは、ハンガー反射の発生要因として、前側頭部皮膚の圧迫だけでなく、皮膚へのせん断力も関係していると推測している。発生要因の解明のため、ニホンサルでハンガー反射を誘発させる実験を行ったが、現在のところ反射誘発には至っていない。今後も実験を続けていく予定である。 4.研究結果の検証:多施設共同臨床研究の中間報告を国際学会で発表する予定である。また、国内学会でも講演ならびに成果報告をしている。今後、臨床研究の結果についても、英文雑誌に投稿予定である。 5.デバイスの改良ならびに発展:義肢装具業者と提携し、デバイスを開発した。強化プラスチック製のものを使用し、より軽く強力に反射を誘発させるデバイスの作製に成功した。あらかじめ、様々な大きさのものを用意し、患者の頭の大きさに合わせてすぐに装着することが可能となった。今後もより軽く、剛性の強い製品を開発し、製品化を目指す。また、前述の前後屈、側屈患者用のデバイスの開発も続ける。
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