2012 Fiscal Year Research-status Report
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23791618
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
渡邉 大 宇部工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60535912)
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Keywords | ボクセル法 |
Research Abstract |
当年度はビットマップ断層画像からボクセル有限要素法モデルを作成する,種々のプログラムの作成を行った.ビットマップ画像に1pixelあたりの寸法と断層間距離を入力しすべての断層画像を読み込むとそこから節点座標と要素コネクティビティを生成し,商用解析コードLS-DYNAが読み込むことの可能なファイル形式に変換するソフトウェアの開発を行い,ボクセル有限要素法モデルが正しく生成されることを確認した.しかし,前年度に作成した頭部ビットマップ断層画像から生成された頭部モデルの要素数は2000万要素を超えてしまい,実用的な時間での解析は困難である.そこで断層画像の解像度を落とすことで600万要素のモデルを作成した.ただし,このモデルでも想定通りファイル容量は800MBとなりデータの携帯性及び配布する際の容量的な問題がある.そこで,すべての要素形状は同じというボクセルメッシュの性質を利用したモデル中間ファイルをいったん生成し,さらに商用解析コードで計算する直前で適宜商用コードのモデルファイル形式に変換することで,モデルファイルのポータビリティの向上を図るコンバータソフトの開発を行おうと考えた.すなわち,断層画像データ→3Dモデル中間ファイル→3D商用コードモデルファイルを生成するソフトウェアの開発である.このソフトウェアによりこの600万要素ボクセル頭部モデルにおいても8MB程度に圧縮できることを確認し,これらのコンバータ手法が有効であることを確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
断層画像データから3D商用コードモデルファイルを生成するソフトウェアの開発ができ,正常に動作することを確認できた.また,想定された問題についても解決のめどがたった.すなわち,頭部モデルの大規模化による計算時間の増大の問題については断層画像の解像度を減少させることにより解決し,モデルの携帯性の悪さは中間ファイルを作ることによって解決できた.ソフトウェアの開発が間に合わない場合は中間ファイル作成を後回しにする計画だったが,ソフトウェアの開発は順調に行うことができた.しかし,断層画像の解像度を減少させることによる,皮膚などの組織の連続性が失われたため,これら断層画像の修正を行わなければならない.
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Strategy for Future Research Activity |
構築したモデルの検証を行う.商用解析コードLS-DYNAを使って構築された頭部モデルを用い過去死体実験を模擬した数値解析を実施しモデルの精度について検討を行う.モデルの妥当性において良好な結果が得られない場合,脳髄液の材料モデルの選択や解析手法に大きく左右されている可能性がある.そこで,脳髄液を液体として固体-液体の連成解析の試行や,ALE解析などに手法を変更しモデル精度の確保を図る.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
作製された頭部ボクセルモデルの生体忠実性及び衝撃に対する挙動の妥当性検証を行うための汎用構造解析ソフトLS-DYNAの年間ライセンス使用料,ワークステーション消耗品の購入及び学会参加のための旅費として使用する.
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