2011 Fiscal Year Research-status Report
P21発現制御による変形性関節症における関節軟骨再生への挑戦
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23791640
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
林 申也 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (20437487)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | p21 / 軟骨 / 細胞外基質 / 変性 |
Research Abstract |
我々の研究目標はP21の発現制御により変形性関節症において 軟骨組織の修復が行われるかを検討することであった。今年度の研究計画として、軟骨細胞においてP21の発現を制御することにより軟骨細胞の増殖、さらに軟骨組織の再生が可能であるか検討することであった。よって研究計画に従い、今年度は、軟骨細胞でp21の発現をsiRNAを用いknock downしメカニカルストレスを与えたところ、当初予想していた結果とは逆のけっかになった。軟骨基質であるアグリカンの発現が減少し、軟骨分解酵素であるMMP-13の発現が亢進した。さらに軟骨基質産生量を定量すると減少した。つまりp21の発現を抑制すると、軟骨組織にはcatabolicな働きをすることがin vitroで証明された。分子生物学的な機序として、p21をknock downするとSTAT3のリン酸化が上昇する。STAT3の阻害剤で培養すると、先程の系で上昇したMMP-13の発現は低下した。すなわちp21をknock downするとSTAT3がリン酸化し、MMP-13の発現が上昇することがわかった。 現在これまでのin vitroでの研究結果を論文に投稿中である。さらに同内容の研究成果は本年度の日本軟骨代謝学会 (2012). Osteoarthritis Research International annual meeting (2012)で学会発表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標は、in vitroで軟骨細胞において、p21の発現を制御することでの細胞外基質産生、それに関連する遺伝子の発現変化、さらにその分子生物学的な機序の検討であった。これらに関して概ねすべて研究結果が出ており、in vitroでの研究結果もすでに学術論文に投稿中であるので、予定通り研究が遂行されていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitroでのp21の機能がわかったため、今度は予定通りin vivoでのp21の機能解析を行う。変形性関節症を再現するマウスのモデルとしてDMM (内側半月板切除)モデルを作成する (Glasson, Osteoarthritis Cartilage, 2007)。これは手術により内側半月板を切除することで関節の不安定性が増大し他のモデルに比し緩徐に関節症が進行する (6Wで関節症性変化進行)というモデルで、他の関節症発症モデル(ヨード酢酸関節内投与、前十字靭帯切除モデル)に比べ緩徐に進行する変形性関節症を再現するのに適しているモデルであると近年提唱されてきているので、これを作成する。週令8週のP21cip1-/-ノックアウトマウスとP21cip1-/+, P21cip1+/+の3群に各右膝にDMMモデルを作成、左膝はsham手術を行う。週令14週ですべてsacrificeし、まずX線撮影行い関節裂隙の評価を行う。次にマイクロCTでも関節症性変化を評価する。画像評価ののち膝関節を固定、脱灰ののち切片を作成する。そのH-E染色、Safranin O染色、トルイジンブルー染色で形態学的評価(軟骨細胞数、細胞外基質量の評価)を行う。次にP21cip1, Type II collagen, Aggrecanの免疫組織化学染色で正常な軟骨組織構造が再生されているのかを評価行う。最後にTUNEL染色で軟骨細胞のアポトーシスが誘導されているか、すなわちCell cycle progressionが促進されているのかも含めて検討する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主にp21ノックアウトマウスを購入、並びにマウスの飼育費、さらにDMM modelを作成するにあたっての手術器具、顕微鏡購入資金に充当する予定である。一方現在in vitroでの仕事を学術論文投稿中であり、査読後に必要な追加実験が生じるようであれば、それに伴う抗体などの試薬購入資金としても研究費が必要となってくる。
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Research Products
(2 results)