2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791729
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊藤 美保 東海大学, 医学部, 助教 (10366073)
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Keywords | NMDA受容体 / Dセリン / 神経因性疼痛 |
Research Abstract |
NMDA受容体拮抗薬は神経因性疼痛を抑制することが知られているので、神経因性疼痛の発生機序として注目されている。しかし、神経因性疼痛の発症に際して、NMDA受容体の活性化のメカニズムについては不明である。NMDA受容体の活性化にDセリンが重要な機能を持つことが知られてきた。DセリンはNMDA受容体グリシン結合部位の内因性リガンドであり、グルタミン酸によるNMDA受容体の活性化を増強する。本研究では、Dセリン代謝関連遺伝子ノックアウトマウスを用いて神経因性モデルを作成しDセリン代謝と神経因性疼痛の発症機序を明らかにすることを目的とした。申請者は、① D-セリンを脳室内投与し鎮痛効果が得られること、② 鎮痛効果を示すD-セリン濃度において脳内投与は運動障害などの神経毒性を示さないこと、③ D-セリンの鎮痛効果がナロキソンによって拮抗されること、などを明らかにした (Ito, Yoshikawa, et al, 2013)。これらの結果は、NMDA受容体を介しオピオイド受容体を刺激し鎮痛作用が現れることを示唆している。申請者は、D-アミノ酸酸化酵素(D-amino acid oxidase; DAO)欠損マウスを用いて、鎮痛実験を行った。その結果、DAO欠損マウスでは疼痛閾値が低下していることをtail-flick、ホルマリン法で明らかにした。今後、セリンラセマーゼSrrノックアウトマウス(Srr-KO)、Srr/DAOノックアウトマウス(Srr/DAO-KO)などを用い、鎮痛効果とモルヒネ鎮痛耐性について検討する予定である。
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[Journal Article] Increase in antinociceptive effect of [Leu5]enkephalin after intrathecal administration of mixture of three peptidase inhibitors2013
Author(s)
Miura, M, Yoshikawa M, Watanabe M, Takahashi S, Ajimi J, Ito K, Ito M, Kawaguchi M, Kobayashi H, Suzuki T
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Journal Title
Tokai J Exp Clin Med
Volume: 38 (2)
Pages: 62-70
Peer Reviewed