2012 Fiscal Year Annual Research Report
延髄呼吸リズム形成機構ニューロンへの麻酔関連薬の影響:スライスパッチ法による解析
Project/Area Number |
23791732
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
桜庭 茂樹 神奈川歯科大学, 歯学部, その他 (00383729)
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Keywords | 中枢性呼吸調節機構 / オレキシン / 呼吸リズム / 吸入麻酔薬 / 呼吸ニューロン |
Research Abstract |
吸入麻酔薬は延髄腹側部の中枢性呼吸調節機構に作用して呼吸を抑制することがわかっているが、その作用機序は解明されていない。本来から吸入麻酔薬の鎮静作用機序と考えられてきたGABA受容体は吸入麻酔薬の呼吸抑制作用に関与していることが示されきた。しかし、GABA受容体だけでは、吸入麻酔薬の呼吸抑制作用を完全に説明することはできない。本研究では、他の機序として睡眠-覚醒サイ クルに関与している覚醒作用を有する神経ペプチドオレキシンBが吸入麻酔薬の中枢性呼吸調節機構抑制作用にどのように関与しているかを解明した。 新生ラット摘出脳幹脊髄標本を用いて、オレキシンBが用量依存性に中枢性呼吸調節機構を刺激し呼吸数を増やすことが解明された。また、その呼吸促進作用が、延髄を介した呼吸数および呼吸出力への作用なのか、脊髄を介する呼吸出力への作用なのかを新生ラット摘出脳幹脊髄分灌流標本を用いて検討し、その作用が延髄の呼吸数への作用であることが解明された。 次に、新生ラット延髄スライス標本を用いて、各種呼吸ニューロン(前吸息性ニューロン、吸息性ニューロン、呼息性ニューロン)へのオレキシンBの作用を検討した。オレキシンBは、前吸息性ニューロンおよび吸息性ニューロンを脱分極させ、intraburst frequencyを増加させることで、呼吸数をづかさせていることが明らかになった。 結論として、Orexinは中枢性呼吸調節機構において、前吸息性ニューロンおよび吸息性ニューロンを促進することで呼吸リズム機構にも関与していることが示された。
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