2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791742
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
巣山 貴仁 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60400925)
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Keywords | 腎細胞癌 / 新規バイオマーカー |
Research Abstract |
腎癌新規バイオマーカーの探索として、ヒト成人では精巣と癌でしか発現していない、Cancer-Testis Antibody、CTA(癌精巣抗体)の検討を開始した。研究開始当初はCTAの発現を網羅的に解析する予定であり、正常腎組織、腎癌組織をそれぞれ数例ずつ選択し、CTAのマイクロアレイを用いて、その発現に何らかの傾向がないか検討した。そうしたところ正常腎組織ではCTAの発現は一律に低いと仮定していたが、そうではなく、発現には大きな個体差が見られ、一部のCTAはかなり高発現していたが、一定の傾向は認められなかった。また、腎癌組織での発現にも大きなばらつきが見られ、正常と比較した腫瘍でのCTAの発現にはやはり一定の傾向が認められなかった。そこで、網羅的な解析をすることは中断し、有望と思われるCTAを選択し、その発現、機能の解析を行う方針に変更した。精巣の分化の過程で発現しており、また腎癌で、正常部と比較し発現が更新しているCXCR3、およびそのレセプターについての検討を行った。 CXCR3およびそのレセプターは、腎癌で発現が亢進しているが、手術時に転移を有する組織において、有意に高発現であることが明らかになり、癌細胞の転移に関係がありそうと判断し、In vitroの検討を行ったところ、細胞の増殖には影響しないものの、癌細胞の遊走能、浸潤能にCXCR3が関与している可能性が示された。また、CXCR3の発現が低酸素により誘導される可能性も示された。 CXCR3が癌細胞の浸潤にどのように関わっているか、メカニズムの解明、およびIn ivoの実験を計画していたが、こちらは実験条件の検討などに手間取り、期間内には実行できなかった。よって、上記までの内容を学術論文として発表した。
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Research Products
(1 results)