2011 Fiscal Year Research-status Report
胚性ゲノム活性化と分化全能性獲得における着床前期特異的新規SCAN遺伝子の役割
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23791862
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
小川 誠司 独立行政法人国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 共同研究員 (10573371)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Zfp371 / 着床前期胚発生 / 胚性遺伝子活性化 / 転写因子 / 新規遺伝 / ノックアウトマウス / ES細胞 |
Research Abstract |
着床前期胚発生は、受精、胚性ゲノムの活性化(Zygotic Genome Activation : ZGA)、分化全能性の獲得、コンパクション、胚盤胞腔の形成、内細胞塊と栄養外胚葉への分化など、再生医学および生殖医療にとって極めて重要な事象を含んでいる。従って、本研究ではZfp371に着目し、その発現および機能解析により着床前期胚発生の分子生物学的機構の解明を目指している。まず、マウス多組織及び胎生器各発生段階のRNAパネルを用いノザンブロットを行い、Zfp371遺伝子の着床前期胚の発現特異性を確認した。成獣多組織では発現を認めず、着床前期の2細胞期胚から胚盤胞期までにのみ発現を認めた。さらに分子表面に露出する可能性が高いと予測される部位から、ペプチド抗体を作成して着床前期胚各ステージの免疫組織染色を行った。8細胞期胚においてのみ細胞質から核内へ移行した。核への移行を検証するため、Zfp371に蛍光遺伝子であるmCherryを組み込んだDNAを作製し、in vitroでmRNAを合成し、受精卵に導入を行うと、ステージ特異的に核への集積を示した。このことから8細胞期にはじめて転写因子として機能する可能性が示唆された。そこで、本遺伝子を機能解析するため、ノックアウトマウスを作成した。Zfp371に対するターゲッティングベクター(エクソン2、3をノックアウト)をデザインし、エレクトロポーション法でマウスES細胞へ導入を行った。ここで得られたES細胞を胚盤腔に挿入し、仮親となる偽妊娠マウスの子宮内に移植し、キメラマウスを作製した。正常マウスと交配させ、相同組み換えES細胞由来のヘテロ接合体となり、germline trasmissionを確認した。ヘテロ同士の交配によりノックアウトマウスを作製した。今後は産仔数や生存曲線あるいは着床前期胚発生を評価し、その表現型を解析する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス多組織RNAパネルおよび胎生器各発生段階のRNAパネルを用いたノザンブロットも行い、Zfp371遺伝子の着床前期胚の発現特異性を確認するとともに、全長クローニングを終えた。さらに二次構造予測においてループ構造を取り、分子表面に露出する可能性が高いと予想される部位の中から、ペプチド抗体を作成してウェスタンブロット法および卵子および着床前期胚各ステージの免疫組織染色を行い、Zfp371遺伝子の蛋白レベルでの発現解析を試みた。またZfp371についてsmall interfering(siRNA)をデザインし、受精卵の卵細胞質に注入した後、着床前期胚発生を観察する。また、siRNAによるZscan5b発現の抑制を定量的RT-PCR、ウェスタンブロット法、免疫組織染色を用いて検証した。さらに、siRNAを注入した卵から発生した胚盤胞について、outgrowth assayに供して内部細胞塊の発生を観察するとともに、胚移植して着床率を観察し、着床への影響を検討し、成果として学会で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子発現プロファイリングZfp371遺伝子のノックアウトマウスから着床前期胚を回収し、オリゴDNAマイクロアレイを用いて着床前期胚遺伝子発現プロファイリングの変化を解析する。上記変異ES細胞についても正常ES細胞と比較して解析する。、クラスタリングや主成分分析により発現様式を同じくする遺伝子群を捕らえて、それらのプロモーター領域も含めて解析し、遺伝子の相関図を描く。発現変化と染色体遺伝子座との関係(Positional clustering)を分析したり、他動物の着床前期胚におけるorthologue発現データとの連鎖解析など、新たな多元的解析を加える。トップダウン式に線形時系列モデルを用いて構築された遺伝子ネットワークを、変異マウスの遺伝子発現プロファイリングデータを用いてボトムアップ的に再構築する。プロモータ領域における転写調節因子結合配列の頻度や染色体座位と発現パターンの相関なども検討する。クロマチン免疫沈降法(ChIP)を用いた転写制御の検討Agilent社のAgilent Mammalian ChIP on chipを用いて、ES細胞を用いてZfp371が調節する下流遺伝子を網羅的に解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年3月31日現在で発生していた残額については、既に3月中に支払いが確定しているため、24年度中に使用する予定はない。当初の交付申請通りの研究費にて研究資材、研究試薬、実験動物を購入予定である。
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Research Products
(1 results)