2013 Fiscal Year Research-status Report
難治性副鼻腔炎と下気道疾患の関連-IL-33による粘膜組織内の相互作用について-
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23791943
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
和田 弘太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20307482)
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Keywords | 慢性副鼻腔炎 / 好酸球 / 気管支喘息 / アスピリン喘息 / 上皮細胞 |
Research Abstract |
慢性副鼻腔炎の治療法は、少量マクロライド療法と内視鏡を用いた手術療法で確立されつつある。しかし、慢性副鼻腔炎の中で、アレルギー素因、特に気管支喘息やアスピリン喘息など好酸球性の炎症疾患を有する患者は治療に抵抗し、難治性副鼻腔炎とされる。気管支喘息やアスピリン喘息も同様に、治療は確立されつつあるが、根本的な病因の解明には至っていない。そこで、我々は副鼻腔粘膜、鼻ポリープを用いて、これら難治性副鼻腔炎の原因を追究する。 東京慈恵会医科大学倫理委員会承認の元、副鼻腔サンプルを用いた実験を行った。それぞれ、①健常人 ②喘息非合併患者 ③アトピー型気管支喘息合併患者 ④非アトピー型気管支喘息合併患者 ⑤アスピリン喘息合併患者の5群よりサンプルを採取し、HE染色による観察(好酸球浸潤の程度、上皮の状態)、IL-33を用い免疫染色を行った。 いままで知られているように、③、④、⑤群には好酸球浸潤を強く認めた。上皮の状態は、各群ともに、上皮の形態が維持されているもの、剥離、脱落を認めるものなどさまざまであった。 IL-33の染色は、③、④、⑤群の上皮に染色される傾向があった。現在、EG2、トリプターゼで2重染色を行い、原因細胞を同定したいと考えている。 副鼻腔炎の難治化因子は細菌感染、ウィルス感染、真菌感染、バイオフィルムなどの外的要因、また患者自身の内的要因など複合的な疾患であり、単一の病因は同定は難しいが内的な要因解明の一助となると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験でよい結果が得られていないこと。また、手術サンプルが、研究の基準に合わず、サンプルが不足していることがあげられる。例えば、難治性副鼻腔炎は朮前にステロイド薬などがすでに投与されてしまっていることが多いなどである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は最終年度であり、検体の染色実験だけでなく培養細胞を用いた実験を行いたい。そのためには可能な限り、サンプルを集めたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
組織サンプルの検討まで進んだが細胞培養まで至らなかった。そのため、今年度に繰り越し組織サンプルから培養細胞を用いた検討を行いたいと考えている。 細胞培養のための細胞培養用メディウム、上清をサンプルとしたELISAキット、細胞からPCRを採取するためのキット、Real-time PCRのための試薬等を購入する。また、学会で発表する予定である。
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