2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23791997
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
河越 龍方 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20564800)
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Keywords | 眼免疫学 / 眼遺伝学 |
Research Abstract |
ベーチェット病は全身の諸臓器、特に口腔・眼・皮膚・外陰部に急性の炎症を繰り返す難治性炎症疾患である。その原因はいまだわかっていない。HLA-B51と疾患の関連が以前から指摘されているが、どのように疾患に関わっているのかそのメカニズムは謎のままである。 そこで本研究課題では、HLA-B51に関するトランスジェニックマウスを作製し解析することを目的とした。 トランスジーンは抗原提示能が高いと言われている第3世代の方法で構築した。具体的には、a1およびa2ドメインがヒト由来、a3ドメインから細胞貫通領域および細胞内領域はマウス由来のキメラ分子を作った。a1ドメインの先にリンカーでヒトb2ミクログロブリンを結合させ、monochainとして発現させた。定法に従い、C57BL/6由来の受精卵雄性前核へDNAを注入し3系統のトランスジーン陽性ファウンダーマウスを得ることができた。ファウンダーマウスをC57BL/6野生型マウスと交配し、F1世代のマウスにもトランスジーンが受け継がれることを確認した。それら3系統の脾臓細胞を使って細胞表面でのHLA-B51の発現を、フローサイトメトリーを用いて確認した。その結果、2系統において強い発現を、1系統において弱い発現を認めた。現在、マウスMHCクラスI分子の影響を除外するために、トランスジェニックマウスの遺伝的バックグランドを、マウスMHCクラスI分子が欠損させている段階である。 今後、以前報告されているようなFMLPによる好中球の活性化や、発現の増強など確認していく予定である。このマウスを用い、HLA-B51特異的ペプチドの探索や、特異的阻害薬の探索に用いることができると考えられる。また、ベーチェット病様炎症の誘導も試みていき、ベーチェット病の病態解明に貢献できると考えられる。
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Research Products
(1 results)