2012 Fiscal Year Annual Research Report
ECRプラズマCVDセラミックコーティングの硬質レジン前装冠への応用
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23792203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸森 亮太朗 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (80534065)
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Keywords | プラズマCVD / チタニア / 硬質レジン前装冠 |
Research Abstract |
本研究の目的は,最先端成膜プロセス技術の一つである,マイクロ波プラズマCVD (Chemical Vapor Deposition)法により,薄く白色不透明なチタニア(TiO2)コーティングを硬質レジン前装冠の金属-レジン間に施すことで,両者の強固な結合と十分なレジン層確保による豊かな色調再現性を実現することであった.本年度は白金加金表面へのチタニアコーティングの成膜を試行した.前年度の純チタン表面への成膜条件を基に,マイクロ波出力(0.8 kw, 1.0 kw,1.2 kw)の3段階に変化させ,成膜圧力を2.0×10^2 paに設定し,プラズマCVDコーティング行った. 実験項目として,1.X線回折による結晶相同定,2.高速分光光度計による測色,3.SEMによる微細組織観察,の3項目を行った. 結果1.結晶相はいずれの条件においても,主要な生成物としてルチル型チタニアおよびTiOが認められた.2.測色結果では,白金加金(金70,銀4.7,白金6.0,銅19,その他:イリジウム)は金属色を十分に遮蔽しているとはいえない結果であった.これは、当分野で今までに行った金銀パラジウム合金を基板とし実験を行った際の結果同様,基板に銀が含まれていることが原因と思われた.3.SEMによる観察では、等方性の結晶組織が観察されたが,結晶構造が粗造であり組織的にはまだ脆弱であった. 本年度に行った白金加金へのプラズマCVDコーティングの実験結果から,白金金属色の十分な遮蔽効果が認められたとは言いがたい.しかし,基板に含まれている銀が原因であると思われることが分かっており,白色コーティングに向けて基板条件を検討するにあたり,この解明は大きな前進である.
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