2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23792245
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小林 琢也 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (50382635)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | fMRI / 脳 / 有歯顎 / 無歯顎 / 口腔機能障害 |
Research Abstract |
H23年度の本研究では,「歯の喪失による咀嚼障害は脳機能活動に影響を与える」との仮説のもと,若年健常有歯顎者群と高齢健常有歯顎者群において基礎的データ採取を3T-fMRIを用いて咀嚼時の脳内賦活部位の同定を行ってきた. 若年健常有歯顎者群と高齢健常有歯顎者群のボランティア各15名を用い,何も行わない30秒間の安静と,30秒間の咀嚼運動を行わせ,これを交互に3回繰り返し,咀嚼運動と安静の差分変化を機能画像として取り出すブロックデザインを用いて検討した. その結果,咀嚼様運動では,両群ともに一次運動野,体性感覚野,補足運動野で賦活が認められた.咀嚼運動では,一次運動野,体性感覚野,補足運動野,視床,大脳基底核,小脳において両群同様の賦活を認めた.これに加えて高齢有歯顎群では,前頭連合野,運動前野の補足運動野に賦活の広がりが認められた.H24年度はこの実験結果をもとに,歯の喪失した無歯顎者(無歯顎者群)における無歯顎状態での咀嚼を行い脳賦活部位を観察する.加えて,無歯顎群に補綴治療を行い,義歯装着してから咀嚼を行い(無歯顎義歯装着群)脳賦活部位を観察しする.有歯顎者による咀嚼をコントロールとして,無歯顎による咀嚼を咀嚼障害状態,義歯装着による咀嚼機能を回復状態での脳機能活動状態の相違点の検出する予定である.実験デザインは有歯顎者と同様に無歯顎状態で何も行わない30秒間の安静と,30秒間の咀嚼運動を行わせ,これを交互に3回繰り返し,咀嚼運動と安静の差分変化を機能画像として取り出す.同様に同一被検者を用いて義歯を装着した状態での検討を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験開始直前に,東日本大震災が発生し、計測機器であるfMRIが故障し実験が行うことが出来なかった.また修繕にも時間を要し現時の実験計画に遅れを来しているため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度行った咀嚼運動による脳賦活部位の同定であるが、fMRIを用いた脳機能研究に頭部の動きがあってはならない、しかし口腔機能をさせることで頭部に微細な動きが出てしまうことがわかった。そこで昨年度より開発に取り組んでいるfMRI頭部固定装置を実用化させたいと思っている。この装置が完成した段階で残りの実験条件である無歯顎者と無歯顎者が義歯を装着した状態でのデータ収集を進めたいと考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画としては,昨年度から取り組んでいる頭部固定装置の開発制作と無歯顎者にける全部床義歯の制作,および実験データ解析と解析結果の成果報告を行うために研究費を使用する予定である.
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