2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞移植を用いた歯科矯正治療による細胞傷害とその回復機構の解明
Project/Area Number |
23792456
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
村岡 理奈 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (20549430)
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Keywords | 骨髄幹細胞 / 歯根膜 / 歯周組織 / 歯科矯正学 / 治療 / 修復 / 再生 |
Research Abstract |
本研究では、骨髄幹細胞を用いて歯科矯正学的メカニカルストレスによる歯周組織の細胞傷害と回復の分子調節機構の解明、およびその制御法の開発を目的とすると共に、骨髄幹細胞の動態および機能の全貌を明らかにすることを目的とした。 実験動物として骨髄幹細胞移植を行なったマウスを用い、GFP骨髄細胞移植マウス・ラットの臼歯を歯科矯正学的に牽引し、メカニカルストレスを付与した後の歯根膜組織とくに歯根膜線維芽細胞の受ける細胞傷害の病理組織学的ならびに免疫組織化学的検討および周囲骨組織における骨髄幹細胞の関与について解明した。 歯科矯正学的モデルマウスにおける歯科矯学的牽引時における歯周組織の変化では、メカニカルストレス付与後の牽引側において歯根膜線維芽細胞のRunx2、Msx2、ALP、AMP等をはじめとする骨形成関連因子の局在と陽性反応増強を確認すると同時に、歯周組織への適切な力学的刺激が骨芽細胞の分化促進に重要であることを明らかにした。また、これら歯周組織の恒常性維持や組織修復、細胞分化にHSPsと神経内分泌関連因子が密接に関与していることを示した。骨髄幹細胞の歯および歯周組織細胞への分化能に関する研究では、骨髄幹細胞が骨芽細胞、破骨細胞、歯根膜線維芽細胞および歯髄細胞に分化することを確認し、これらの前駆細胞となる骨髄幹細胞は、歯周組織では主にリモデリングの盛んな部位において生着することを示したが、これらの現象も神経系の細胞と密生に関連していることを実験により示した。 今回行った一連の実験の結果により人為的に幹細胞を所定の場所に供給できる可能性が現実味を帯びてきた。本研究の結果を吟味することで効率的な幹細胞に局所への誘導、歯周組織リモデリングや修復、および効率的な矯正学的歯の移動が可能になると考えらえる。
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Research Products
(9 results)