2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23792499
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 温 東北大学, 大学病院, 助教 (50333828)
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Keywords | カルバマゼピン / 骨代謝 / μCT |
Research Abstract |
本年度では、抗てんかん薬カルバマゼピンが骨代謝にどのような影響を与えているかについて検討した。まず、in vivo におけるカルバマゼピンの効果について検討するためにラット脛骨を用いた慢性投与実験を行った。70g雄性wistarラットを用いてカルバマゼピンを一日一回背部皮下に35日間投与し、脛骨における骨の評価をμCTを用いて行った。試薬の調整はその都度行い、難溶性である薬物であることから0.5%tween溶液にsuspendして用いた。用量は12.5mg/kg/day, 25mg/kg/day, 50mg/kg/day,100mg/kg/day, vehicleとした。 例数は各群6とした。餌と水については自由に供与した。なお、実験終了時各群の体重に有意な違いを認めなかった。その結果、脛骨metaphysi部における3Dにおける検討で、定性的評価であるが、各群で、骨量構造に大きな変化を認めなかった。一方で2Dにおける検討では50mg/kg/day, 100mg/kg/dayの投与群で骨密度の増加を認めている。このことから、この変化は3Dでの骨梁構造の変化からもたらされたものではなく、石灰化の程度によりもたらされたものであることが示唆された。したがって、カルバマゼピンの骨量増加作用は、主として高石灰化によりもたらされたものととらえることができるが、より詳細な3D構造の検討を骨形態計測学的手法で行い明らかにする必要がある。、
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度は東日本大震災の影響で予定していた進捗を得ることができなかったが、本年度でdose dependentでのμCTでの骨評価を行うことに着手し、カルバマゼピンにおける骨代謝への影響を2Dと3D双方から評価できる状況が整ったが、一方で詳細な骨形態計測を行うまでにないたらなかった。さらに、本年度予定していた血清中骨代謝マーカーの測定を行うことができなかったことから次年度での実験系でも同様の骨代謝マーカーの測定を行うため、これと併せて測定する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた骨評価に対して次年度では測定条件の設定や絞り込みを行ったのち骨形態計測学的手法で定量的に検討する。また、本年度着手できなかった血清中骨代謝マーカーの測定も併せて行う予定である。 次年度はすでに骨減少を引き起こすことが明らかな同じ抗てんかん作用を持つ薬物との併用を行い、骨減少をどの程度抑制できるか検討する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は当初計画していた骨代謝マーカーの測定を次年度に延期することにより生じたものであり、延期した骨代謝マーカー測定に必要な経費として平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。
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Research Products
(6 results)