2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792499
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 温 東北大学, 大学病院, 助教 (50333828)
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Keywords | カルバマゼピン / 骨代謝 |
Research Abstract |
本年度は、長期連用で骨減少をきたすことが判明しているフェニトイン(PHT)誘発性骨減少症ラットあるいはバルプロ酸ナトリウム(VPA)誘発性骨減少症ラットに対してカルバマゼピン(CBZ)を併用投与した場合の骨代謝に与える影響を検討した。昨年度と同様に体重70g雄性Wistarラットを用いた。ラットは6群に分け、それぞれ溶媒投与群(Veh)、PHT20mg/kg per day投与群(PHT20)、VPA100mg/kg per day 投与群(VPA100)、CBZ50mg/kg per day投与群(CBZ50)、CBZ50mg/kg+PHT20mg/kg per day投与群(CBZ50+PHT20)、CBZ50mg/kg+VPZ100mg/kg per day 投与群(CBZ50+VPA100)とした。投与期間終了後、過剰麻酔下で安楽死させたのちサンプリングを行い、血清中骨代謝マーカーを測定した。測定した骨代謝マーカーのうちカルシウム、リン、オステオカルシンについては群間で有意な違いを認めなかったが、副甲状腺ホルモンについては、CBZ50+VPA100、PHT20の群で血清中濃度の増加が認められた。また、CBZを投与した3群の血清中CBZ濃度はCBZ50に比較して、CBZ50+VPA100群では血清中CBZ濃度が低下する一方でCBZ50+PHT20群で、変動は認められなかった。計測された値はすべての群で2μg/ml以下であり、報告されている有効濃度以下であった。また、血中PHT濃度および血中VPA濃度は、検出限界近くあるいは検出限界以下であった。以上の結果から、骨代謝へ与える主たる作用は骨増加作用ではなく骨減少作用への影響が強く反映されていると考えられた。この先は、脛骨におけるμCTによる検討を行い、総合的にCBZが骨代謝に与える影響を明らかにしていく。
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