2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23792564
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西條 剛央 早稲田大学, 商学学術院, 講師 (60422565)
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Keywords | 質的研究 / 評価 / SCQRM / 構造構成主義 |
Research Abstract |
多様なタイプの研究を妥当に評価可能な質的研究の一般評価法の構築を行うため、これまで構築できた「質的研究論文の一般評価法」を用いて、質的研究のワークショップなどのアウトリーチ活動や,研究報告書作成,他の研究報告書を吟味する際にこの評価法を適用することで,それらの有効性と限界を明らかにすることを今年度の目的とした。 まず質的研究の評価に関連する計30時間以上のワークショップや,質的研究の専門家との協議を通じて,質的研究の評価法に関するユーザビリティの向上を行った。次に,研究論文を作成する際に、公共性の評価法の観点から論文の自己チェックを行った。同じ技術を持つ研究者であっても,こうした方法的評価視点を持つことで,自分の研究を公共性という観点から客観的に吟味することが可能になることが示唆された。 また,研究の公共性を視点としてあらかじめ査読者に指摘されるポイントに関して記述しておくことで,的外れな評価をされることなく,論文の説得力をあげる効果がある可能性も確認できた。 さらに行政が行った検証報告書についても科学性と公共性という観点から吟味を行った。すると方法が明記されていない点や,資料の引用先が記載されていない点,根拠を示した上で結果が示されていない点など,第三者が批判的に吟味可能な公共性が備えられていないことが明らかになった。それによってその研究が公共性を備えていないことは誰の目にも明らかになったことから,公共性の観点から研究を評価する視点は有用であることが確認できた。
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