2012 Fiscal Year Research-status Report
治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定を支えるケアの検討
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23792581
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
白井 由紀 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (30587382)
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Keywords | がん / 看護学 / 造血器悪性腫瘍 / 意思決定 / 緩和ケア / 多職種 / 連携 |
Research Abstract |
1. 血液内科医・緩和ケア医への面接調査:血液内科医11名、緩和ケア医10名への面接調査(H23年度に実施)の質的分析を進めた。治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定を支える多職種連携(特に、血液内科医と緩和ケアチームとの連携)における障害と解決策について、H24年6月の日本緩和医療学会学術大会にて発表した。現在、治療不応期の意思決定場面における医療者が担うべき役割、治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定を支える多職種連携の在り方について分析を進めている。 2. 看護師への面接調査:H24年3月から調査を開始した。対象は、治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族のケア経験を3年以上有する看護師とし、半構造化面接を行っている。調査内容として、治療不応期の造血器悪性腫瘍患者の特徴、治療不応期の意思決定場面における看護師が担うべき役割、治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定を支える多職種連携の在り方、他職種に期待する役割などを尋ねている。分析には質的内容分析の手法を用いる。現在、看護師8名への面接調査を終了した。今後さらに面接調査と分析を進め、意思決定場面での看護師が担う役割と多職種連携に関する看護師の見解を明らかにし、治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定において、看護の視点からの詳細な支援方法を提示する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定を支えるケアについて、看護の視点および多職種連携の視点からの支援方法を提示することを目的として本調査を計画した。文献検討および調査開始前のプレインタビューから、意思決定を支える多職種連携が円滑に行われていない実際がうかがえた。そこで、連携の障害とその解決策を明らかにすることを優先課題とし、質的研究を実施することとした。H23、24年度には医師対象の面接調査から連携の障害と解決策について検討し、学会発表を行った。現在、海外雑誌への投稿準備中である。さらに、治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定を支えるケアについて検討しているが、質的内容分析の手法に則り詳細な分析を実施するために時間を要している。また、看護師対象の面接調査の完遂を予定していたが、対象者の協力が当初の予定通りに得ることが出来ず、H25年度に調査と分析を実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
血液内科医、緩和ケア医を対象とした面接調査の質的内容分析を完遂し、看護師を対象とした面接調査と質的内容分析を進める。結果を統合し、治療不応期の造血器悪性腫瘍患者・家族の意思決定を支える具体策を提示する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
看護師対象の面接調査のテープ起こし、質的内容分析の専門家によるスーパーバイズに対する謝金、調査補助者とのミーティングのための旅費、および研究成果の公表(学会発表、論文発表)に使用することを予定している。
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Research Products
(1 results)