2012 Fiscal Year Research-status Report
「高齢がん患者の生活史に注目した看護介入プログラム」の開発
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23792595
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
今井 芳枝 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10423419)
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Keywords | 高齢がん患者 / 治療過程 / 生活史 |
Research Abstract |
「高齢がん患者の生活史に注目した看護介入プログラム」の開発ということで、本年度の目標は、高齢がん患者の生活史に対する情報や文献検討を実施した。その結果を日本がん看護学会にて「がん領域における生活史を活用した文献レビュー~高齢がん患者ケア視点としての模索~」で発表した。この結果より、がん領域では生活史を体験過程の意味づけを明確にする手法として活用しており、高齢がん患者で生活史を活用することは、経験の意味づけだけでなく、長い生活史より得た英知を持つ高齢がん患者は生活史自体が強みの部分を意図的に活用することに繋がると思われ、高齢者の持てる力を生かした介入方法になると考えられた.以上より、高齢がん患者の生活史を活用する有用性は示されたことと、生活史は高齢者の介入方法の1つとして活用できることが明らかになった。現在、どのような状況の高齢がん患者を対象にしていき、生活史を用いた介入方法を検討するのかを考案中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
高齢がん患者の生活史を活用する有用性や介入手法として活用できることは明らかとなったが、実際に、どのような状況の高齢がん患者を対象とすることがよいのかを検討段階にある。本年度では、来年度の質的研究に向けての研究計画立案まで予定をしていたが、そこまで至っていない。そのためにも、生活史を用いた介入効果をもとに、どのような事例において有効的であるのか検討していく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、生活史を活用した介入がもたらす効果と高齢がん患者の現状を検討しており、どのような状況の高齢がん患者を対象するのかを考察している。生活史を活用した介入では、患者自身の認識の変換をもたらす効果があり、ネガティブな状況をポジティブに捉えなおしていく介入の効果をもたらす。高齢がん患者の現状では、がん治療を受ける高齢者は身体的・精神的・社会的背景より虚弱な立場であり、自分の治療や状況に対して思うようにならないような状況下で治療が行われることが多々ある。このような背景より、治療過程にある高齢がん患者が自身の治療や現状を納得し、受け入れていく過程に焦点をあてて、生活史を用いた介入方法を検討していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の繰越額は、質的研究を実施していくため、インタビューに関連する機材の補充、また、その過程を学会発表していくことで、より精度の高い研究を目指す。加えて、出てきた結果を考察していくための、資料や書籍の取り寄せ等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)