2012 Fiscal Year Research-status Report
在宅障害児の家族のユーザーフレンドリーなサービス利用体制の構築に向けた実証研究
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23792667
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Research Institution | Ibaraki Christian University |
Principal Investigator |
松澤 明美 茨城キリスト教大学, 看護学部, 准教授 (20382822)
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Keywords | 在宅障害児 / 在宅ケア / 家族 / サービス利用 / サービスの質 / ヘルスサービスリサーチ / 情報提供 |
Research Abstract |
本研究の目的は、わが国の在宅障害児をもつ家族のためのユーザーフレンドリーなサービス利用体制の構築を目指して、在宅障害児家族の視点に立脚したサービス利用体制およびサービス情報提供のあり方について提言することである。 今年度の研究の成果としては、本調査での調査内容の詳細の検討に向けて、本研究のテーマに関連する国内外の先行研究のレビューを引き続き実施した。また予備的調査にあたる調査データの分析を実施した。本調査では、一地域における在宅障害児・者家族34人を分析対象とし、サービス利用によるサポートがより必要と考えられる障害をもつ子どもの保護者の就労とその変化に着目して分析した。分析の結果、障害児・者家族の26.5%がケアを理由にした何らかの就労の変化を余儀なくされていること、低い子どもの年齢の保護者が就労変化を余儀なくされていることが明らかになった。このことから、就労している・就労を希望する在宅障害児家族へのサービス利用等のサポート体制を整える必要性が示唆された。 その他、在宅においてサービスを利用している知的障害をもつ子どもおよび医療的ケアを必要とする子どもの保護者各1人に対して、サービス利用のアクセスビリティをはじめとするサービス利用とサービス利用のプロセスに関してヒアリングを実施した。その結果から、障害種別やサービスの種類によってサービス利用へのアクセスビリティが異なる可能性があることが示唆された。 これらの成果を踏まえて、今年度は本調査において使用する質問紙調査票を完成させた。さらに調査フィールドの調整も進行中である。これらの成果に基づき、最終年度である次年度は本調査を実施し、分析および公表する作業を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は本研究の2年目にあたり、研究計画上では今年度、本調査を実施する予定となっていた。しかしながら、本調査で使用する質問紙調査票の調査内容の精査にやや時間を要し、調査の実施は次年度にせざるを得なかった。そのため、研究の進行状況としては、やや遅れている状況にある。本調査の実施等に向けて、次年度は計画に沿って進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は本研究の最終年度にあたるため、本調査を実施し、その研究成果を国内外の学会等にて公表していくともに、論文化に向けて作業を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の本研究の遂行にあたり、本調査の実施にかかる費用(質問紙調査票の郵送に関する費用・データ入力にかかる費用・謝礼等)、さらに分析に使用する統計ソフトのライセンス契約料、論文化および本調査実施に向けた準備にあたって、資料収集にかかる費用、学会等に関連する旅費および参加費等が必要となる。
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Research Products
(3 results)