2014 Fiscal Year Annual Research Report
訪問看護師による精神疾患を有する人への電話相談の効果評価
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23792746
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
角田 秋 聖路加国際大学, 看護学部, 准教授 (50512464)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 精神科訪問看護 / 地域精神保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、訪問看護ステーションの看護師が精神疾患を持つ人に対し行う電話による支援の実態と内容、効果を明らかにすることを目的に研究を実施した。訪問看護利用者にインタビューを行うことで、電話相談は、必ずしも緊急性のある「相談」ではなく、「確認」のため、事業所稼働時間外でも電話せざるを得ない状態になる利用者がおり、一定の疾患の合併または病態がある可能性が考えられた。しかしながら、電話相談を利用する訪問看護利用者の特徴(基本属性、社会機能等)、普段提供されるケア、訪問看護事業所での電話相談の位置づけ、ケアの構造は明らかになっていなかった。そのため、統合失調症を対象とした訪問看護の支援の構造と、電話で支援をする利用者の特徴を明らかにするために、最終年度には、訪問看護師対象の調査票による調査を実施した。訪問看護ステーション11事業所、30人の看護師から、直近に訪問した統合失調症の利用者計42名の、基本属性、機能、提供したケア内容、看護師の基本情報に関する回答を得た。その結果、本人から訪問看護事業所に電話があるケースは、ないケースに比べ、全般的な機能が低く、家族から訪問看護事業所に電話があるケースでは、ないケースに比べ、社会生活で適応を妨げる行動が多かった。しかし、電話の有り無しで、訪問回数や訪問滞在時間に違いはみられなかった。以上から、重症度が高い利用者には、訪問に加え、電話による支援ニーズもあることが示唆された。本調査の詳細な分析結果について、論文等で報告を行っていく予定である。本研究の成果は、電話相談を行う利用者と、行わない利用者との特徴を比較し、ケアの枠組みを明らかにしたことであり、今後増加が予想される、訪問看護ステーションにおける統合失調症を有する利用者への支援の資料としての活用が考えられる。
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