2011 Fiscal Year Annual Research Report
配信能力を拡張可能な自律分散型配信システムに関する研究
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23800068
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
神屋 郁子 九州産業大学, 情報科学部, 助手 (00615354)
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Keywords | 広域負荷分散 / 仮想計算機 / クラウドコンピューティング |
Research Abstract |
配信能力を拡張可能な自律分散型配信システムの構築を行うため、平成23年度は以下の3つの要素技術について研究開発を行なった。 1.新規配信サーバの増設時期の決定手法 新規配信サーバの増設には、配信サーバの追加やリクエスト誘導の切り替えなど事前の準備が必要である。これらの準備に必要な時間を考慮しサーバの増設時期を決定する。平成23年度は、どのような事前準備が必要となるかを調査した。また、既存のオートスケールの手法ではどのようなタイミングでサーバを増設しているかについて調査した。 2.新規配信サーバの配置位置決定手法 新規配信サーバの配置位置の決定には、配置位置を決めるためのポリシーと、配置位置を選択するためのリアルタイムなモニタリング、分析が必要となる。平成23年度は、配置位置を選択するためのポリシーについて考案した。また、ポリシーの1つである、サーバ・クライアント間のネットワーク的が近いものを選択するために必要なモニタリング手法について調査を行った。これらの成果内容については、学会発表を行った。 3.動的に増設される配信サーバ間でのリクエスト誘導 配信サーバが動的に増設される場合、増設された配信サーバにもリクエストが誘導されなければならない。平成23年度は、クライアントのリクエスト誘導先を動的に変更するリクエスト誘導方式について検討を行った。調査の結果、DNSを用いて動的にリクエスト誘導先の切り替えが可能なサーバ選択機構[1]を用いることで解決可能であることがわかった。このサーバ選択機構を利用して、リクエスト誘導を行うことにし、基本設計を行った。 [1]"多様な選択ポリシーを利用可能なサーバ選択機構",下川俊彦,吉田紀彦,牛島和夫,電子情報通信学会論文誌,J84-D-1:9,2001
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に計画していた全項目について、基本調査、方針設計は終了しているため、計画自体はおおむね順調に進展していると言える。一方、実装については、環境選択や環境構築に時間がかかったため、やや遅れている。環境選択は終了しており、環境構築も着々と進んでいるため、今後は速やかに設計、実装を行っていくことで、計画を遂行できるのではないかと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、平成23年度に計画していたシステム全体の実装を行い、実験及び実地検証と総括を行う。平成23年度に実装が終わらなかったが、平成24年度に行う予定であったリクエスト誘導手法に関する検討も進んでおり、「リクエスト誘導手法」については既存のシステムを利用することにした分、実装期間の短縮が見込めるため、全体的には問題ないと考えている。
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Research Products
(2 results)