2012 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代におけるイスラーム金融の動態とその多様性についての実証研究
Project/Area Number |
23810019
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長岡 慎介 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (20611198)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | イスラーム金融 / イスラーム経済論 / イスラーム法 / 地域研究 / 地域間比較 |
Research Abstract |
研究プロジェクト最終年の本年度は、下記の2点について研究を行った。 (1)イギリス、インドネシアにおけるフィールドワーク 本研究が調査対象としている3カ国のうち、本年度はインドネシア、イギリスを訪れ、フィールドワークを行った。そこでは、両国のイスラーム金融監督官庁および現地の複数のイスラーム銀行での聞き取り調査、および現地の大学図書館・書店での資料収集を行った。調査からは、イギリスのイスラーム金融は、理論(イスラーム法解釈、法学者ネットワーク)およびの実践(商品のラインナップ)双方において、欧米の従来型金融機関の存在感が大きく、それとの競争力の向上を最優先課題として、新しい商品開発に必要な理論的発展および法解釈の革新が行われていることが判明した。一方、インドネシアのイスラーム金融については、隣国でかつイスラーム金融の世界的拠点の1つであるマレーシアの影響力を受けながらも、理論および実践の両面において独自の商品開発や法解釈の実践を行おうとする取り組みが存在することが判明した。 (2)研究のまとめと成果公表 本年度および昨年度のフィールドワークを踏まえて、新たに取り組みが活発になっている新興地域におけるイスラーム金融の理論と実践の多様性のあり方について研究成果にまとめる作業に着手した。そこでは、本研究が対象とした3カ国では、イスラーム金融の世界的拠点である中東湾岸地域およびマレーシアの実態を意識しながらも、それぞれが異なる形でそのような世界的拠点との相互関係を結んでいることが解明された。このような結論は、イスラーム金融の理論と実践が世界的に標準化・画一化していく流れにあるとする昨今の研究潮流に対して、地道な現地調査から一石を投じるものであるといえる。以上の成果については、2013年10月に京都大学で開催される国際ワークショップで報告し、その後、英語論文の形で公表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)