2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23820011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
劉 文兵 東京大学, 総合文化研究科, 研究員 (70609958)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 日中映画交流 / 中国映画史 / 満州映画協会 / 日中戦争 / 日本人のイメージ |
Research Abstract |
①2012年11月、単著『中国映画の熱狂的黄金期――改革開放時代における大衆文化のうねり』が岩波書店より上梓された。本書は、「文化大革命」という大きなトラウマを抱えた中国社会が、「天安門事件」(一九八九年六月)という新たな歴史的な出来事に遭遇したのち、高度経済成長期に突入していくという過程において、改革開放路線をいかに確立していったかというプロセスを、映画を介した大衆文化のうねりを考察することによって浮き彫りにするとともに、それと通底する今日の中国社会の複雑な心理構造や、イデオロギー的な位相を解明しようと試みた。②2012年9月、論文「相容れない二つの〈リアリズム〉」が『専修大学社会科学研究所月報』に掲載された。ミケランジェロ・アントニオーニ監督が手掛けたドキュメンタリ映画『中国』(1972)と、当時の中国においてプロレタリア芸術の最高規範とされた「革命様板戯」との比較をつうじて、〈リアリズム〉に対する両者の解釈の相違を明らかにした。③2013年3月、論文「中国映画におけるグローバル化の軌跡」が『地域研究』(地域研究コンソーシアム編、昭和堂)に掲載された。本稿は中国映画におけるグローバル化のルーツを辿りつつ、「現存した社会主義国」におけるグローバル化の独自の展開を、映画の輸出・輸入、製作・流通などの側面から考察することを試みた。④現代中国学会主催「日中国交正常化40周年シンポジウム」、日本植民地研究会第20回全国研究大会・共通論題「帝国日本の熱狂・ホスピタリティ・アイロニィ」にパネリストとして参加し、日中映画交流をテーマとした研究発表をおこなった。また、明治大学リバティアカデミーにおいて、「木下恵介監督と中国」をテーマに講演をおこなった。⑤「朝日新聞」「日本経済新聞」などのメディアの取材に応じ、日中文化交流の可能性について日本国民に広く発信した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)