2012 Fiscal Year Annual Research Report
人間・動物関係論の再構築-70年代以降の倫理学的動物論と哲学的動物論の影響関係
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23820052
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
浜野 喬士 早稲田大学, 文学学術院, 助教 (20608434)
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Project Period (FY) |
2011-08-24 – 2013-03-31
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Keywords | 哲学 / 倫理学 / 思想史 / 人間動物関係論 / 動物倫理 / 動物思想史 / 西洋哲学史 / 捕鯨文化論 |
Research Abstract |
前年度23年度末に発表した論文「肉食忌避・ベタリアニスム・動物:倫理学的動物論と人間・動物関係論」は、動物論との関係で、近年急速に哲学的議論として浮上している現代ベジタリアニズムの問題を、倫理学的見地のみならず、思想史的観点から検討した。また同23年度末に発表した論文「なぜ捕鯨問題は解決できないのか」では、捕鯨問題を、法律レベルでの動物の位置付けの変化、環境問題との関連、哲学的動物論との多面的関係の中から総合的に検討した。両論文により、従来動物を論じる上で十分に考慮されてこなかった思想的背景について明らかにすることができた。また「人間・動物関係論」という総合的視点がいかなる領域横断的研究であり、これまでの倫理学的方面から展開されてきた動物論といかなる差異を有するかについても示すことができた。 しかし23年度の上記成果を踏まえた、本24年度の資料収集、分析、整理作業の進展とともに新たな課題が浮上してきた。すなわち動物を西洋思想史の枠内で論じるにあたっての神学的含意の重大性であり、今日「動物の尊厳」論として議論されつつある一連の問題系である。人間・動物関係論を包括的な視点から構築するにあたり、本研究活動スタート支援で設定した、哲学的動物論と倫理学的動物論という二項対立には一定の限定が付されねばならないことが自覚された。 平成25年度-平成27年度に交付が内定した科研費「神学的動物論と倫理学的動物論の相互影響関係-1910年代以降の「動物の尊厳」論」(若手研究B:課題番号25770030)においては、今回の研究活動スタート支援に基づく2年間の研究で発見し、しかし解決することができなかった神学的見地からの動物論の研究を進める。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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